株式会社八幡自動車商会様(モビリティ事業・教育事業)
人事制度の明確化、可視化を目指して成長塾を受講した株式会社八幡自動車商会の代表取締役社長 池田 等 氏と人事部長 斉藤 大地 氏。そんな両氏に、成長塾でどんなことを学び、どう活かして会社や社員を成長させていったのか、詳しく伺いました。
●会社プロフィール
社名 株式会社八幡自動車商会(スポーク・ホールディングス グループ)
所在地 〒990-2492 山形県山形市鉄砲町2-21-37 2F
設立 1962年4月
社員数 120名(グループ全体)
事業内容 モビリティ事業・教育事業
URL https://spoke-holdings.com
1.「自動車」にまつわる多種多様な事業を展開!
――八幡自動車商会の会社概要をお聞かせください。
八幡自動車商会は、創業から60年以上にわたって、自動車の整備や販売といったモビリティ事業に携わってきた会社です。山形県内にて「車検のコバック」、「鈑金のモードリー」、軽未使用車販売の「fino」といった店舗の運営を行っています。
2022年2月からは、この八幡自動車商会を軸に「スポーク・ホールディングス」という持ち株会社を立ち上げまして、グループ全体で「車」にまつわる多種多様な事業に取り組み始めました。
自動車部品の輸出入を行う会社や、カーシェアリングの会社、レンタカー会社、ジャガー・ランドローバーのディーラー、外国人実習生に車検の教育を行う組合など、現在は7つの法人で構成されています。
また山形だけでなく、秋田、東京、宮城、静岡、さらには海外と展開するフィールドも大きく広がってきました。
ちなみにカーシェアリングのサービスについては、AIやIoTを駆使したり、特許を取ってフランチャイズを展開させたりと、先進的な試みに挑戦しています。
海外展開にも積極的で、シンガポールではオートバックスさんとジョイントベンチャーを立ち上げて、車検技術を教える会社の運営も行っています。
――成長塾で得た学びは、八幡自動車商会の中で活かされているのでしょうか?
はい。今後はグループ全体にも、成長塾で学んだことを取り入れていく予定です。
2.社員からの相談で「人事制度」の構築を決意
――成長塾を受講した背景をお聞かせください。
きっかけは社員からの相談です。
ある日、社員から「将来の自分の姿が想像出来ません」「どうすれば給与が上がったり、役職者になれるのか分かりません」と言われました。
その時に、確かにうちの会社には明確な人事制度がないため、社員にとっては将来が見えにくい会社になっているかもしれないと感じたのです。
そこでたくさんの知人に、人事制度について相談したところ、二人の経営者から教えて貰ったのが「成長塾」でした。
その二人から「絶対に受講した方が良い」という強い推薦があったこと、またその二人が経営する会社が、「成長塾」で学んだ人事制度を導入して実際に良い結果を出しているということから、受講することを決意しました。
――「成長塾」の他に、なにか別のコンサルティングを検討したり、他の人事制度を取り入れたことはありましたか?
いいえ。人事制度については、一番最初が「成長塾」で、今もその学びをベースにブラッシュアップを図りながら、ずっとお世話になり続けています。
インターネットを探すと何十個も、人事制度を提供しているコンサルタント会社は出てきますが、多すぎてどれが良いか判断出来ませんし、実際に結果が出るものかも分かりません。
その点、知人が実際に結果を出していることが分かっている「成長塾」であれば、信頼出来ると思いました。
――ちなみに池田様は2010年と2012年の2回、斉藤様は2019年に1度受講されています。複数回、参加されたことにはどういった意図があったのでしょうか?
それぞれ、人事担当が変わったタイミングで、担当スタッフと共に受講しています。やはりまた聞きよりも、実際に受講した方が学べる深さが変わってきますので。
3.「品定め」ではなく「成長を促す」ための人事制度
――人事制度をどのように運用しているのか教えてください。
部門ごと、階層ごとに社員を評価するための「成長シート」をつくり、その項目に基づいて、リーダー格以上の上司が部下を評価します。
そして月に1回、および四半期ごとに1回、上司と部下の面談において、評価のフィードバックを行い、どうすればより成長出来るかを伝えています。
また四半期に1回の面談タイミングでは、リーダー格以上の社員が集まって「成長支援会議」を実施しています。ここでは主に社員の成長を促すための方策を示したり、人事評価の統一などを行っています。
――人事制度を導入、運用するにあたって苦労した点はありましたか?
導入当初は、評価者たる上司同士の目線が合っていなかったため、そこを擦り合わせながら約100人の社員の評価を行うのに、丸3日近くを費やしていました。これほど長い時間が掛かっていたため大変でしたね。
ちなみに現在は、上司の目線が揃って評価にも慣れてきたため、1日で評価が決まるようになりました。
――そこまで時間のかかる成長支援会議をやることについて、上司から反発などはありませんでしたか?
それはありませんでした。
というのも、新たな人事制度の目的が「社員の成長のためにやっていること」だと、繰り返し上司や一般の社員に伝えるようにしていたためです。
品定めのための人事制度ではなく、全員が成長して、その結果として給与も上がっていく仕組みをつくる。そのための制度だということを、各社員がしっかり理解してくれていたと感じています。
4.直近4年で売上高5億円、人時生産性1000円アップ!
――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。
直近の4年間だけでも、売上高が約5億円アップ、粗利益は約2億円アップなど大きな効果が得られました。すべての数字は中堅職以上の社員にはすべて共有して、一般社員も見たければいつでも見られる状態にしています。ただ一般社員については、売上高や粗利益よりも、本人がお客様から依頼された品目の数や売上単価といった、より分かりやすい部分をかみ砕いて成長シートで伝えるようにしています。
――たくさんの効果がある中で、特に大きいと感じている部分はどこですか?
残業時間を減らしながら、人時生産性を約1000円もアップしたことです。要因は、成長シートの運用によって優秀な社員の可視化と、それを横展開出来るようになったことですね。そのおかげで効率良く、高いレベルで仕事が出来る社員が増えてくれました。
――優秀な社員の可視化と横展開とは、具体的にどんなことをやられているのですか?
例えば、優秀な社員の接客の様子は、ロールプレイングで再現して動画で撮影、それを全社員に共有しています。またそのやり取りを文字に起こして、いつでも見返せるようにしています。
しっかりしたお手本があるため、的外れな接客をする社員はいなくなり、接客能力の底上げに繋がりました。
5.受講と実践を経て感じた「成長塾」の優れている点とは?
――「成長塾」の中で得た学びで、特に優れていると感じた点を教えてください。
私たちが感じた「成長塾」の優れている点は、次の3点です。
●社員同士が「教え合うこと」を重視している
「成長塾」では、「成長シート」を用いて社員を5段階で評価するように教えています。1~4段階までは社員自身の成績に関わる評価ですが、最後の5段階目だけは「優れたやり方を他の社員に教えていた」という、少し違う点で評価しています。
そうすることで、社員は評価を上げるためには、自分だけ結果を残せば良い訳ではないことを理解出来ます。また同時に、自ら進んで他の社員に教えてくれるようにもなりました。いわば「教える文化」が社内に出来上がったのです。この考え方と手法には衝撃を受けました。
●仕事と時間の大胆な管理方法を学べる
仕事に優先順位を付けて、取捨選択する方法を学べた点も大きかったです。
マネジメントの世界には「パレートの法則(2対8の法則)」と呼ばれる分析方法が存在しています。「TTM研修」では、これを活用した「2割の仕事で8割の売り上げを上げる」という考え方を元にしたタイム&タスクマネジメントを教えています。つまり10個の仕事があった時、大きな成果に直結するのは、その中の2個しかないこと。そして他の8個を捨ててもその2個をしっかりと特定し実行することが大事だということです。
極端な話ですが、社内の掃除だけをしている人と、営業の電話を掛け続けている人では、当然ながら後者の方が売り上げに繋がりますよね。掃除も大切ですが、時間は有限です。だからこそ仕事に優先順位を付けて、必要な仕事に注力する。この考え方を学べた事は、私たちにとって非常に大きなことでした。
●全社員を成長させてくれる
組織というのは、どうしても社員をふるいに掛けてしまうところがあります。例えば2割の社員だけが優秀だったら、その2割だけを優遇してしまう。しかし「成長塾」では、全員を5段階評価の5点に持っていくことを目標としています。そして全社員が評価5点になれば、会社の業績も向上するため、社員に高い給与を払えるという考え方なのです。
社員をふるいに掛けているか、全社員を成長させようとしているか、そんな会社のスタンスは必ず社員にも伝わります。全社員を成長させて高いレベルに連れて行きたいと会社が考えるようになった頃から、社員はより成長しようと頑張ってくれるようになったと感じています。
――「人事制度」の導入、運用によって社員の意識はどのように変化しましたか?
前向きに仕事に取り組んでくれるようになりました。「人事制度」のお陰で、社員は自分がどうなれば評価されるのかが明確になりました。そのため自分自身で目標を設定して、動いてくれるようになったのです。
「成長塾」の中で松本先生が、「成長したくない、優秀になりたくないなんて社員はひとりもいない」と仰っていましたが、本当にその通りだと思います。
6.「社員を成長させる」というブレない軸が魅力
――「成長塾」に対する率直な評価をお聞かせください。
とにかく松本先生の教えが素晴らしいですね。たくさんのことを教えていただきましたし、常に「社員を成長させる」という軸がブレません。日本であれだけ「人事制度」に情熱を注いでいる方は、松本先生以外にいないのではないでしょうか。
また松本先生は講義の中で必ず、まるで漫談のように笑えるエピソードを話してくださいます。私たちも含めて受講生は皆、そのエピソードを聞くのを毎回楽しみにしていると思いますよ。相談もたくさんさせていただきました。松本先生は百戦錬磨なので、どんな相談でもすぐに適切な解決策を提示してくださるので、そこも非常に助かっています。
例えば1年ほど前に給与制度の改定を行った時に、現状のままだと給与が下がってしまう社員が複数人出てしまいました。どう対応するか迷って松本先生に相談したところ、猶予期間を設けて、その間に設定した目標を達成したら、給与は下がらなくて済むようにしなさいと教えてくださったのは、ありがたかったですね。
給与を下げることが目的ではなく、「給与に見合う成果を出すために、どう支援するか」という軸がしっかりあるから、こうした対処法がすぐに出てくるのだと感じています。
7.成長塾で学んだことをグループ全体に展開したい
――今後の展望を教えてください。
「スポーク・ホールディングス」全体としては、今後さらなる拡大を予定しています。部門や店舗はどんどん増えていきますので、そこに「成長塾」で学んだ「人事制度」を展開していきたいですね。
事業拡大する上で、「成長塾」で学んだ「成功事例を教え合う」という考え方は大きな武器になると考えています。これからたくさん出てくる新たな成功事例を広く横展開して、どんどん社内、グループ内にシナジーが起こることを期待しています。
その実現のために、出来れば「全国大会」にも積極的に参加したいですね。いろんな企業の成功例や失敗例を共有してもらえるので、非常に参考になります。
また時代は刻々と変化しており、労務に関する法律も年々変わっています。そうした変化に対応するように、「成長塾」もどんどん進化しているように感じています。これからも「成長塾」には定期的に参加して、私たちの考え方や制度もブラッシュアップしていきたいと思います。
社員総会での集合写真の一幕。「成長塾」の「人事制度」の導入によって、ここに並んだ社員全員が、最高評価を目指して前向きに業務に取り組んでくれるようになりました。
株式会社八幡自動車商会様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※株式会社八幡自動車商会様のホームページ(https://yawatajidosha.net/)
※スポーク・ホールディングス様のホームページ(https://spoke-holdings.com/)
※取材2022年7月
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