第249話 社員から賃上げ率を聞かれましたか
2025-03-12

毎日のように、新聞やテレビでは各企業の賃上げのニュースが報道されています。
社員はこういったニュースを毎日見ていますので、自社の賃上げ率について関心を持っていない社員は1人もいなくなりました。
賃上げ額は、単に自分の今の基本給に賃上げ率をかければ計算することができます。賃上げ率を発表していない企業でも、賃上げ後の基本給から逆算すれば簡単に計算できるでしょう。
過去に人事制度の構築支援をしてきた企業では、経営目標実現時の賃上げ率は平均1.8%でした。当時の大手企業の賃上げ率が2%前後でしたので、1.8%はそれほど低い賃上げ率ではなかったといえます。
ところが、現在はあたかも全ての企業が賃上げ率5%以上であるかのように発表されています。高い賃上げ率のニュースが連日流れるようになってしまっては、社員は今後の自社の賃上げ率に関心を持つことは仕方のないことです。
政府は最低賃金1500円を最終ゴールにしています。そのため、これから毎年最低賃金は5%以上上がります。それに伴って初任給も上がっていくことになるでしょう。
これは企業規模にかかわらず、社員の賃金を5%以上上げていくことは必須となりました。もしこれができなければ社員は転職を考えるようになるでしょう。しかも、今までとは違ってその補充のための採用も厳しい状況であり、ほとんど不可能といえます。
では どうしたらよいのか。解決策はけっして難しくありません。社員に5%以上の賃上げをするための経営目標を発表し、全社員で取り組むのです。
大手企業に比べて中小企業の賃上げ率が低いことは、中小企業の社員であれば薄々感じているでしょう。しかし、「大手企業の賃上げ率」は「中小企業でも業績が良ければ実現できる賃上げ率」なのです。
大切なことは、5%以上の賃上げをするためにはどれぐらいの業績が必要なのか、それを社員に説明することです。
現在在職している社員の中に、会社を辞めようと思っている社員はほとんどいないでしょう。その社員が「この会社で賃上げ5%を実現するためには何をしたらよいか!」を考えられるよう、その方法を示すのです。
そして、社員たちが「この経営目標を実現するためにも、自社の優秀な社員がやっていることを可視化し、共有化して全社員で一緒に成長しよう」と考えるようになれば、一致団結して経営目標の実現に取り組むことになるでしょう。
実際、そういった企業が増えてきました。
「賃上げ率5%の経営目標は難しい」と経営者はいいます。しかしその「難しい」と経営者が言った経営目標を、社員は「実現しよう」と言うのです。
「ピンチはチャンス」です。現在は厳しい時代でありながらも社員を成長させるチャンスの時代でもあります。こうした取り組みをした会社は、経営者も驚くほど社員が成長し、高い賃上げ率を実現しています。
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