第248話 いつもやるべきことが徹底されない
2025-03-05

多くの経営者が悩んでいることの一つとして「社員にやるべきことを指示してもなかなか徹底できない」があります。
会社とすれば、今後も続く高い賃上げを実現するためにも、しっかりと業績を上げなければなりません。業績を上げるために、社員には「やるべきこと」をしっかりとやり切ってもらう必要があります。
しかし、会社からやるべきことを社員に伝えても、それが完全に、徹底して実行されることはなかなかありません。このままでは、高い賃上げをすることは難しいでしょう。
社員からすれば、やらなければならないことは当然だと分かってはいるでしょう。しかし、何らかの理由があって徹底できていないのです。この問題を解決しなければ、これからの経営環境に適応することはままなりません。
実は、やることが徹底できていない企業には2つの理由があります。
1つ目は、会社から指示される「やるべきこと」が次々に追加されてしまい、決められた時間の中ではやりきれない状況になっていることです。このとき、何からはじめたらいいかは社員の判断に任されているため、次々に指示される仕事の中で、社員はやりやすいところから取り組んでいくことになります。
社員は決してサボっているのではなく、やることがあまりにも多すぎるため、一度に実行することができない状況にあるのです。この問題を解決しない限り、会社としてやってもらいたい仕事をやり切ってもらうことはできません。これは社員の問題ではなく会社の問題です。
2つ目は、やるべきことをやったとしても会社が評価しないことです。日々、やるべきことをしっかりとやっている社員もいるでしょう。反対に、さまざまな理由を述べて先送りにしている社員もいると思います。この社員は、やったとしてもそれを自身の成長として評価されているとは思えない、評価されないのならやってもやらなくても同じだと考えているために先送りにしているのです。
もちろん 会社は「しっかりと評価している」と言うでしょう。しかし、そのことは社員には見えません。端的にいうと、社員は会社から指示されたことをやった結果、自分の処遇(昇給・賞与)に反映されるかどうか分からないために、取り組もうとしないのです。
このままだと、会社はやらない社員に対して叱ることが多くなります。しかし、社員が評価は自分の昇給・賞与には関係ないと考えていると、叱られることを甘んじて受け入れるだけです。改善することはありません。
この2つの問題を一気に解決するためには「成長シート®」が役立ちます。
成長シートには、1つの期待成果ごとにやるべきこと(重要業務)が最大3つまでと限定されています。期待成果は最大5つまでです。どれだけ多くても重要業務は15個(5×3)までです。これにより、社員には「これだけやればいいのですか?」という状況を提供することができます。成長シートのとおりの仕事をすればいいので、とても生産性の高い方法で仕事が遂行できるのです。
また、成長シートでは社員の成長度合いが分かるよう「成長点数」があります。今やっていることが成長シートで評価され、その結果を成長点数として実数で計測し昇給・賞与を決めるのです。これにより、社員は会社からしっかりと評価され、処遇に反映されることが約束されていると理解します。
たとえスタート段階では成長点数が20点であったとしても、少しずつ成長することで成長点数が高まっていき、少しずつ昇給・賞与が良くなると社員は分かるようになるのです。
やったことがきちんと評価され、それが処遇に反映されると明確になっている。そのような人事制度をつくって社員に提示しなければなりません。
人事制度は決して難しくありません。それは今現在も社員を評価しているし、評価によって昇給・賞与を決めていることが事実としてあるからです。ただ、それが仕組みとして社員に可視化されていないだけの話です。
これからの厳しい環境では社員がやることをしっかりとやりきり、そして高い成果を上げて業績を高めていかない限りは昇給・賞与の原資をつくることはできません。この厳しい環境の中でこのような社員を成長させるよう仕組みをしっかりつくりたいという方は、どうぞ成長塾にご参加ください。
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