第236話 「防衛的賃上げ」から「役立つ賃上げ」へ
2024-12-04
これから、日本では最低賃金1500円に向けて毎年賃金が上がっていきます。賃上げ率は基本的に毎年5%以上を覚悟しなければなりません。この賃上げ率5%を実現するために必要な粗利益を確保できなければ、残念ながら会社の業績に関係なく賃上げする、いわゆる「防衛的賃上げ」をする会社もあるでしょう。
この防衛的賃上げの目的は人材確保と言われていますが、本当の目的は、在職している社員の定着率の向上です。賃上げできない会社から人財が流出しています。
しかし、会社の業績があまり良くないのに防衛的賃上げをした場合、社員の立場で考えてみると本質的な問題があることに気が付くでしょう。
仮に防衛的賃上げをしたとします。今の会社の業績が良いか悪いか、全く分からない社員はいないと思います。業績が悪いときでも賃上げした場合、社員は「今の業績でも賃上げが可能である」と勘違いしてしまいます。業績が悪くても賄えるほどの内部留保があるのだろうと思う社員もいるでしょう。どちらにせよ、業績を上げようと積極的になる社員が生まれなくなることは確かです。
つまり、新しい挑戦や課題に取り組まずとも賃金を上げてしまうのであれば、そのまま何もしなくてもよいという社員を生んでしまうことになるでしょう。これでは今まで以上に業績が悪くなることが予測されます。このように防衛的賃上げをした会社がどういう結末を迎えるかは、火を見るよりも明らかです。
大事なことは、社員の成長に【役に立つ】賃上げでなければならないことです。
「当社は賃上げ率5%を実現したいと考えています。そのための経営目標は○○です」といった説明をすることがとても重要です。このように、賃上げするために必要な会社の業績を発表することによって、社員一人一人が成長することでどれだけの賃上げを獲得することができるか教育し、全社員でその実現に取り組むのです。
このことをすでに多くの会社が取り組んでいます。高い賃上げ率を実現する高い経営目標に反対する社員は1人もおらず、全社員が一丸となって実現に向かっていく姿を見て、経営者は驚いています。
もっと早くこの「賃上げ率」を「経営目標」と一緒に発表すればよかったという経営者が続出しているのです。すでに最低賃金1500円になる未来は確定しています。遅いか早いかの違いだけです。その確定している未来に向けて、一刻も早く社員が成長する人事制度、賃金制度の構築が必要になりました。
まだ社員に説明できるような人事制度、賃金制度がなければ、一刻も早く成長塾を受講して構築してください。
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