第235話 新卒社員を希望人数採用する方法
2024-11-27
これから毎年、新卒採用は厳しくなっていきます。今年の新卒採用では希望人数採用できなかったかもしれません。
中小企業の経営者の相談を受けていると分かりますが、希望する人数の新卒採用ができた会社は年を追うごとに減ってきています。このまま新卒採用ができなくなると、当然会社の将来はないでしょう。
どんなことがあっても新卒採用はしなければなりません。その方法を本気で考えるときが来ました。一番簡単な方法は、初任給を30万円にすることです。30万円にしてはじめて新卒採用のスタートラインに立ったことになります。
もうすでに就活中の大学生は、初任給30万円の会社があることを知っています。最低でも24万円以上でない限りは応募する気にもならないでしょう。大学生の立場で考えれば当然といえます。
そのため、地元の初任給相場ギリギリの金額を提示している企業は、このままでは一切採用できなくなります。それほどまでに初任給は上昇しているのです。もう地元と同じ水準の初任給では採用できません。30万円は無理だとしても最低でも地域相場の2割以上アップした初任給にしなければならないと覚悟しなければなりません。
その上で、新卒採用活動を行う際は「採用三種の神器®」を活用することをおすすめします。「採用三種の神器®」はENTOENTOが持っている登録商標です。まったく採用ができなかった魚屋が生み出した最強の採用ツールです。実際、中小企業はどうしても大手企業に比べて「採用する力」が弱いため、新卒社員を確実に採用へとつなげられるよう開発した仕組みの名前です。
まず1つ目は「3階層の成長シート」です。一般階層・中堅階層・管理階層の成長シートを見せることによって、この会社にはしっかりとした40年間のキャリアプランがあることを示すことができます。入社後40年以上にわたる自分の成長が、成長シートによって具体的に分かるのです。
2つ目が「ステップアップ基準」です。
大手の企業の場合には出世競争があります。同期で入ったとしても全員がステップアップ(昇格)することはありません。しかし、私がこれまで構築支援をしてきた中小企業の経営者は「全社員がステップアップ(昇格)して良い」と言っています。
中小企業の場合、入社した社員には全員成長してもらいたいと思っているからです。しかし、このことを仕組みでしっかりと応募者に伝えることが必要になります。
「当社は全て絶対基準で評価しており、入社した社員全員がステップアップできます」と、標準的に成長していくとどれくらいの年数でステップアップできるのか、資料を見せながら説明します。大手企業との違いを明確に示すことで、自社がいかに「良い会社」であるかをアピールすることが可能です。
3つ目は「モデル賃金」です。初任給が高いからといって、入社後も増えていくとは限りません。仮に初任給30万円を提示している会社でも、入社後も賃金が増えていく約束をしている訳ではありません。
そのため、仮に自社の初任給は24万円だとしても、入社後成長していくと30万円になる、さらに成長したら35万、40万、45万、50万、60万円…と賃金が増えていくことを、モデル賃金を用いて説明するのです。
モデル賃金は入社後も継続して業績がいいこと、そして社員が標準的に成長することを前提に設計しています。作成したモデル賃金を見ると、多くの経営者は驚きます。大手企業の賃金と遜色のない賃金になるからです。
応募の時点で入社後40年間の賃金を示せる会社はほとんどありません。応募者にモデル賃金を見せて「当社は『会社の業績』と『あなたの成長』によって賃金がどのように増えていくのかを説明できる会社です」と説明することで、大手企業との差別化を図ることができます。
内定をたくさんもらった大学生がどこに入社するか最終決定をする際、当社に入社する意思決定をする判断材料になるのがこの「採用三種の神器」です。中小企業には「中小企業の良さ」がたくさんあります。
人材確保で大変な状況はこれからも続くでしょう。そのための対抗処置をしっかりと講じること、そしてそれを実行しなければなりません。どうぞこの「採用三種の神器」をつくり、新卒採用に役立ててください。
「採用三種の神器」の具体的なつくり方を知りたい方は、成長塾にお越しください。作成することで今後の採用戦略に優位に立つことができます。実際に、初任給30万円でなくても採用できた実績が多数あります。
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