第231話 最低賃金1,500円を実現するためには生産性向上です

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第231話 最低賃金1,500円を実現するためには生産性向上です

2024-10-30

最低賃金が1,500円になることは必至でしょう。これは中小企業であっても避けることはできません。問題なのは、この最低賃金1,500円をどのぐらいの期間で実現できるかどうかだけです。遅かれ早かれ、日本の全ての企業は実現に向けて経営革新をしていく必要があるでしょう。

最低賃金1,500円を実現するために、今一番注目されているのが「価格転嫁」です。大手企業に納品する際の取引価格が上がれば、中小企業でもその分の粗利益が増え、結果として生産性が向上し、最低賃金1,500円を実現できるといいます。

これは価格転嫁を取引先が認めてくれるのであれば実現できますが、簡単には実現できそうもありません。大手企業頼みになってしまいます。

基本は自ら能動的に挑戦する課題に取り組まなければなりません。その方法として最近話題なのが「DXや省力設備の導入」です。しかし、これは生産性の50%しか語っていません。

生産性指標で一番分かりやすいのが「人時生産性」です。人時生産性は粗利益を総労働時間で割ります。「DXや省力設備の導入」は、全てこの分母の労働時間を短くすることを目的にしています。確かに、労働時間を短くすれば人時生産性は上がりますが、分子である粗利益が増えていませんので、賃金を上げる原資は増えません。

大切なことは粗利益を増やすことです。そのためには新しい商品・サービスの開発や、現商品を新しいマーケットへ拡大するしかありません。これはいずれの場合も、現場で働く社員が今のお客様の情報(潜在ニーズ、顕在ニーズ)を集め、そこから新しい事業展開へと進んでいくことです。

しかし、現実は上司の指導が「有効な指導」になっていない可能性が十分あります。日本企業の多くは、マネジメントをする上司の過去の経験に基づいて部下を指導しています。つまり、今のマネジメントをやっている上司層は過去のお客様の声に基づいて部下指導しています。

大切なことは“過去のお客様“の情報ではなく、”今のお客様“の情報を現場で働く社員から集め、現場の社員も一緒になって今のお客様のニーズに応えた新商品・サービスを開発することができていかなければなりません。これができれば粗利益を増やすことができます。

中小企業であればあるほど、社員は現場密着で仕事していることは紛れもない事実です。今すぐこの取り組みをすることで、人時生産性を上げることが可能です。

実際に私は前勤務先で、この取り組みによって人時生産性を上げ、10年以上毎年5%賃上げした経験を持っています。ぜひ、現場のニーズに対応できる新商品・新サービスを開発してもらいたいです。

この取り組みには、大前提として現場の社員にお客様のニーズを集めてもらい、それを全社員に共有化することが必要です。現場のニーズを全社員に共有化でき、その結果として全社員が成長して業績を向上させることができる仕組みをつくりたい方は、ぜひこのタイミングに成長塾にご参加ください。

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