第229話 「私の賃金は来年増えますか?」に何と答えますか!
2024-10-16
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今までの日本では、社員が賃金について直接経営者に質問することはほとんどありませんでした。それは今もあまり変わりはないかもしれません。
ところが、徐々に「賃金について質問しにくる社員が増えてきた」と、経営者から相談を受けるようになってきました。多くの経営者は戸惑いを隠すことができません。
これまで賃上げのニュースは、4月~5月を過ぎると目にすることはほとんどなかったでしょう。しかし今は9月~10月になっても賃上げのニュースがさまざまなマスコミで取り上げられています。日経新聞だけではなく読売新聞や毎日新聞にも、連日賃上げのニュースが掲載されています。
中小企業の社員も日常茶飯時に賃上げのニュースを見聞きしているのです。そのため、当然ながら自分の賃金を見て「この会社に勤め続けるとどのぐらい賃金が上がっていくのだろうか?」と疑問を持つことは当然の成り行きでしょう。
いつか社員から賃上げに関する質問を受けるときが来るでしょう。このとき、経営者の答える内容は決まっています。
「会社の業績が良くて、あなたが成長していけば賃金は増えます。安心して頑張りなさい」
今までであればこの回答で納得させることができたかもしれません。しかし、高い賃上げ時代の今において、これは全く通用しない回答になりました。
これからの日本では「会社の業績が○○で社員の成長が△△であるときの賃上げ率(賃上げ額)はいくらになるのか!」と具体的な数字で明示しなければならなくなりました。
これができなければ社員は経営者の発言を信じることはありません。
「今まで自分は頑張ってきたし、会社の業績もそこそこいいようだけど、思ったほど賃上げされていないな」と思った社員は「今後も賃上げされてもこんなもんか」と思うようになるでしょう。
そう思い始めた社員、中でも特に優秀な社員は転職を考えるようになります。これは今までとは比にならないほど転職市場が盛んになっていることが証明しています。自社の賃上げに納得できない社員を対象にした転職情報が目白押しです。広告などで常に目に入っているでしょう。社員の自宅にも有名な転職会社のチラシが頻繁に入るようになりました。
そのため、会社の業績と社員の賃上げがどのように関係しているか、具体的に明示することが求められる時代になりました。これはもう先送りはできません。仮に来年以降の賃上げ率は5%が当たり前になったら、社員は5%賃上げする会社に転職しようと強く思うようになるでしょう。社員からすれば、賃上げ率1%の会社と5%の会社どちらがいい会社かというと、5%賃上げする会社の方が社員を大事にする会社と判断をするのは当然といえば当然でしょう。
そこで、自社でも業績のいい時は5%賃上げすることもあり得ると社員に説明しなければなりません。経営者の単なるリップサービスではなく、社員が会社の発表した賃上げ率を自分で具体的に計算できるような仕組みが必要です。
「業績がこれくらいで、これくらい成長していたら賃上げ率は何%になる」と経営目標の発表時点で社員が計算できるようにするのです。例えば、経営目標を実現できれば賃上げ率は5%になると分かれば、全社員経営目標を実現しようとします。これは、現時点で例外は一社もありません。
ここまで仕組みができている会社は、日本では0.1%程度の割合です。それが今後の社員の定着、そして新たな人材を確保するときの大きな武器となるでしょう。
これができれば、社員はこの会社がとてもいい会社であることがはっきりと分かり、成長していくことになります。この会社で成長すればするほど業績が向上し、結果として賃金が増えることが明確に分かったからです。
もし5%の賃上げが難しいとお考えの中小企業の経営者がいましたら、今すぐ成長塾に参加して、社員を成長させるための利他主義人事制度をつくってこれからの経営環境に打ち勝ってください。
私は前勤務先で10年以上、毎年5%の賃上げを実現しました。中小企業でも「その気」になって、この人事制度を導入すれば5%賃上げが可能です。この人事制度をつくり5%賃上げを実現した中小企業が続出しています。
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