第228話 経営計画書に記載し忘れていませんか?
2024-10-09
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経営計画書の役割は、企業が掲げた経営目標を実現することです。やるべきことを全社員に告知し、全社員で経営目標の達成を目指します。
経営計画書を活用して経営目標を目指すことになりますが、全社員が本気で「この経営目標を実現しよう」と意識したときに初めて、経営計画書は有効になります。
今の激動の時代においては、事業年度の最初に掲げたやるべきことが年間を通して変わらない可能性はほとんどなくなりました。このことを知っている社員は、この経営計画書に記載されているやるべきことは常に変化すると理解しているでしょう。
しかし、全社員が本当にこの経営目標を実現したいと考えていなければ、経営目標は絵に描いた餅でしかありません。これまでの経験上で申し上げると、会社が掲げた経営目標を必達だと考えている社員は2割程度と考えています。残りの8割は、この目標を実現しようと必死に行動してはいないでしょう。
経営者であればこの現実を知ってはいますが、解決するのは難しいと思っています。しかし、全社員が「この経営目標は必達だ!」と考えるようにすることは可能なのです。それは経営計画書の中にあることを一つ載せるだけです。
「この経営目標を実現すると、賃上げ率は5%になる」
つまり、経営目標を実現すれば○○%賃上げできると明確にするのです。
経営目標を達成したときの賃上げ率は簡単に計算することができます。事前に計算できますので、この賃上げ率を発表することは全く経営上のリスクがありません。それどころか、社員が全員必死になって、この目標を実現しようと成長するようになります。会社にとってこれほどいいことはありません。
近年、この賃上げに関して「防衛的賃上げ」という言葉が使われるようになりましたが、これは絶対してはいけないことです。最初に社員の成長があり、それによって会社の業績が向上して賃上げするための原資ができてはじめて賃上げすることができます。
全社員が成長して経営目標が実現しない限り、経営目標の実現、ひいては賃上げするための原資を確保することは、これからの日本では難しいでしょう。経営目標の発表と同時に賃上げ率も発表することが必須になりました。
最近、このことを実践している経営者が増えてきました。経営計画書の中にこの目標が達成できたら賃上げ率は何%になるのかを記載しています。それだけではありません。賞与原資は前年と比べてどのぐらい増えるのか、賞与まで示している経営者も増えてきました。その結果、社員の経営目標に対する意識が全く変わってきたといいます。
中には、掲げた経営目標以上の実績になったという企業もあります。社員は経営計画書を見て、経営目標を実現するためにやるべきことをしっかりやり、成果が上がらなければやることを変えるといったことを日常茶飯事のように取り組み、そして成長していったのです。
大切なことは、賃上げ率を上げる以上に賃上げ率を上げられる社員に成長させることです。これが今経営者の最も大事な業務になったでしょう。
現在、経営計画書がある企業は経営目標を達成できたときに昇給・賞与がどうなるか、賃上げ率とその金額を経営目標を発表する時点で掲げなければならない時代になりました。
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