第226話 賃上げ率の発表が社員のやる気を生んだ
2024-09-25
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最近「防衛的賃上げ」という言葉を頻繁に聞くようになりました。これは業績が悪くても賃上げすることであり、その理由は、賃上げしなければ社員が流出してしまうと恐れているからです。
この一時的な社員の流出を防ぐために行った防衛的賃上げは、一度すれば毎年行わなければならなくなります。それはとりもなおさず、社員に業績に関係なく毎年賃上げされると教育することになるでしょう。
通常、賃上げは会社の業績によって左右されます。賃上げ率が高いということは業績が良かったことを意味し、賃上げ率が低い場合は業績が悪かったことを意味します。このことを通じて、社員に大事な教育をしなければなりません。それは「全社員の賃上げをしようと考えていますので、今期の経営目標を実現することを全員で取り組みましょう」と説明し、賃上げができるよう社員を成長させていくことです。
賃上げ率が低いからといって社員が辞めるのであれば、それは仕方のないことでしょう。しかし、社員に対して「会社の業績と賃上げ率は連動していて、業績が良ければ5%以上賃上げすることもできる」と説明できたらどうでしょうか。
基本的には業績連動で決めている賃上げ率を、大手企業でも業績と連動した形で事前に発表している会社はそう多くありません。そのため、中小企業ではこの業績と賃上げ率の関係を説明できることで人事上で有利になります。特に、経営目標を発表している会社であれば、なおさら説明をしなければなりません。
今、弊社のコンサルティング指導先である中小企業の多くは、急遽経営目標と合わせて賃上げ率を発表するように指導しています。それによって社員は一人残らず「この経営目標は必達だ」と考えるようになりました。
賃上げ額は社員それぞれ違いますが、賃上げ率は全ての社員に関係するものであり、誰かが高くて誰かが低いということではありません。業績が全ての社員の賃上げ額を左右することを学ばせる良い機会が来ました。
万が一、今年は残念ながら防衛的賃上げをしてしまったとしても、来年の経営目標発表時には賃上げ率を併せて発表してください。
これまでの弊社のコンサルティング指導先では、過去20年間で賃上げ率は平均2%前後でした。この賃上げ率でも社員から不平不満が出ることはありませんでした。ところが、今後は経営目標を達成することができれば賃上げ率は5%以上になると説明をすると、全社員はその目標達成に意欲的になります。万が一、経営目標が実現できず賃上げ率が5%を下回ったとしても、辞める社員は一人もいないでしょう。自分達で高い賃上げを獲得できると分かったからです。
そして、賃上げ率が5%になるかどうかが1年後になって初めて分かるようでは遅すぎます。毎月の業績を見れば経営目標の達成に近づいているかどうかはっきりと分かることで、社員のモチベーションが今までとは格段に変わったという報告もあります。
これからは「経営目標」と「賃上げ率」を一緒に発表し、社員が一丸となって高い賃上げ率の実現を目指してください。このメルマガを読んでいただいている経営者は、全ての社員の賃上げをしたいと考えているでしょう。それを実行に移すための仕組みが必要になりました。今すぐに取り組んでください。
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