第224話 防衛的賃上げに明日はない
2024-09-11
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最近、コンサルティングするときについつい声が大きくなるときがあります。それは、業績が厳しいのに「賃上げをしたい」と経営者から相談を受けたときです。
「賃上げしなければ社員は定着しない、採用できない」そのとおりでしょう。だからといって業績が良くないのに賃上げという安易な方法をとると、「企業存続を諦めました」と決めたようなものです。
もし、今の日本全体の高い賃上げ傾向が今年(2024年)で終わるのであれば、この「防衛的賃上げ」も有効かもしれません。しかし、この傾向が10年続くとしたらどうでしょうか。
中小企業でも内部留保がある会社は当然存在していますが、前年の業績が芳しくないのにその内部留保を取り崩しながら賃上げすることには限界があります。気が付いていない経営者は多いですが、これは大きな問題を孕んでいます。
私たちは社員を成長させる義務がありますが、それは世の中の役に立つ社員に成長させるということです。世の中の役に立つ社員は「稼げる社員」という言い方をしてもいいでしょう。この表現をなかなか受け入れ難いという方もいるかもしれませんが、「稼げる社員」とはお客様に喜ばれながら売り上げをいただいている社員のことです。つまり、お客様の困っていることを解決することで売り上げが発生するのです。このように、稼げる社員に成長させることが経営者の仕事です。
もし社員を「稼げる社員」に成長させることができなければ、会社の業績は良くなりません。基本的に昇給・賞与を増やすことはできないでしょう。そしてもちろん、経営者が恐れていることが起きます。優秀な社員から辞めていくことになり、採用もできなくなるでしょう。
業績が厳しいのに賃上げすることは、この社員の定着、採用の問題を先送りにしただけでは済まされません。だから今こそ、社員を「稼げる社員」に成長させることを、経営者は腹を括って取り組まなければならない時代になったといえるでしょう。
私が勤めた前勤務先は、入社時に同窓生と2割も賃金が低かったことを覚えています。それでも社員がやる気を出し成長した結果、上場企業になることができました。それは社員を成長させるための仕組みをつくったからです。
業績を上げるためであればどのような仕組み(営業・製造・開発)でもいいでしょう。しかし、社員を「稼げる社員」に成長させ、そして業績が向上することで賃上げができる仕組みであることが前提です。このことを経営者はしっかりと肝に銘じなければならない時代になりました。これができない会社は、残念ながらこれからの10年間存続が厳しい時代になります。
最低賃金が毎年5%以上上がるのであれば、かつてない厳しい状況になることは必然です。今すぐこの取り組みをして、社員を「稼げる社員」に成長させてください。その仕組みをつくりたいという方は成長塾にお越しください。
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