第223話 新しい時代の終身雇用

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第223話 新しい時代の終身雇用

2024-09-04

日本の雇用システムの一つに「終身雇用」があります。社員を採用したら定年退職まで継続して雇用することです。現在は、基本的に定年退職の65歳までは継続して雇用する義務があります。そういう意味では今でも日本は終身雇用です。

しかし、現状は65歳以上になっても仕事をしている人が増えています。これからの日本においては、この65歳以上の就業人数が増えていくことは確実視されています。そのため、中小企業は終身雇用を「100年時代の終身雇用」にすることが必要です。定年年齢65歳までではなく、社員が働きたいと思う間は働ける企業にすることがとても重要になってきました。

そのためには、大前提として65歳以上の社員の賃金の決め方を明確にしておく必要があります。成長シートをつくり、どのような期待成果があって、何をしてその期待成果を上げてもらうのかを明確にすることで、組織の中における貢献度が明確に分かります。貢献度に基づいて賃金を決めることができるようになります。

65歳以降に年金が出るとしても、果たして年金だけで生活ができるかどうかは甚だ疑問です。人によっては十分だという高齢者の方もいるし、足りないという高齢者の方もいます。中には最低でも2000万円以上の金融資産を保有していなければ生活は無理だという意見もあります。

ただ、日本人には「働くは傍(はた)を楽にすること」という考え方があり、働くことを苦役だとは考えていない特徴があります。そのため、65歳以降もできる限り働きたいと思っている社員は相当数います。場合によっては8割以上の社員がそのように思っている可能性があります。

そうであれば、前もって社員に「65歳を過ぎた後も、70歳、80歳、90歳になっても我が社では働くことができる。そして賃金に関しては、きちんと成長シートの貢献度によって成長給表で決める」と明確にすることで、社員にとってこれほど安心して仕事ができる会社はありません。大いに満足できることになるでしょう。

貴重な人材確保ができます。今のところ、大手企業の中で本格的に取り組んでいる企業はごくごく少数派です。

もちろん、今の65歳以上の社員たちは「企業戦士」と言われたほど猛烈に仕事をしてきた人たちです。そのため、65歳以降は猛烈に仕事をしてきたスタイルで働くことができないとなると「やはりこの会社で仕事をすることはできないな…」と思っている可能性があります。そこで、もし引き続き同じ会社で働けるのであれば大先輩社員として尊敬されながら勤務することができると事前に説明することができたらどうでしょうか。社員は65歳以上になっても、これまでとは違う働き方があると理解します。

また、65歳以上になると今まで通りに仕事ができなくなる可能性もあるでしょう。残業はできなくなるかもしれません。1日8時間フルタイムで働くことが難しくなり、やがて週休2日から3日、4日と休みを増やしてほしいといった希望も出てくる可能性があります。

本来、このような希望を出すことは「企業戦士」からすれば多分「NO」でしょう。しかし、だんだん体力が衰え、さまざまな環境の変化に合わせて働き方を選べることが分かれば、社員は65歳以降も安心して仕事ができるようになります。

労働力不足になった日本において、これを新しい終身雇用制度として中小企業が活用するときが来たと言えるでしょう。この人材不足時代において大いに有効性を発揮する強力な仕組みになるでしょう。この仕組みをつくりたい方はぜひ成長塾にお越しください。

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