第219話 経営計画書と一緒に発表が必要な賃上げ率
2024-07-30
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先日、成長塾第19回全国大会を開催しました。
人事制度によって社員が成長して業績が向上し、そして賃金を上げる経営者が一堂に会する大会です。「社員を物心両面豊かにしたい」に本気で取り組む経営者たちが集まったこの大会で、私はある1つの質問をしました。
「今年に入って、社員から賃上げ率について質問されましたか?」
その問いに対して参加した経営者は全員「いいえ!」と答えたのです。
現在、社員は賃上げ率にとても関心を持っています。毎日報道されていますので、当然でしょう。自社の賃上げ率について質問したい社員がほとんどです。しかし、やはり日本の国民性からか、賃上げ率を会社に聞けていない状況があるのです。不安になり転職を考え始めているかもしれません。この事実を私たちは知らなければならないでしょう。
「賃上げ率」は「会社の業績」と「社員の成長」によって決まります。
そのため、経営目標を発表している会社は、その経営目標が実現したときには賃上げ率が何パーセントになるかを、事業年度の最初に発表することが必要になりました。
この事業年度の最初に賃上げ率を発表した会社は、今までとは違うあることに気づき、驚き、そのことを経営者からご報告いただくことが多くなりました。
それは、これまで経営目標を発表しても、反対する社員がいて全社員が一致して「やろう」という雰囲気になったことは一度もなかったにもかかわらず、「賃上げ率」を併せて発表したことによって、この経営目標が1人残らず全社員の必達の目標になったというのです。
今まで社員にとって経営目標とは、経営者が社員に一方的に押し付けるものであり、それが実現したときに社員にとってどのようなメリットがあるかを知らされていませんでした。
ところがこの「賃上げ率」を発表したことによって、経営目標を実現することで自分たちのメリット(賃金が上がること)を社員は学ぶのです。
この賃上げ率を発表した会社は、業績の違いによって変動する5つのケースの賃上げ率を発表することができるようになりました。
①昨年と同額以下の実績だったとき
②①より良いが、経営目標が実現しなかったとき
③会社の経営目標を実現したとき
④経営目標以上に業績が良かったとき
⑤④以上に業績が良かったとき
これにより、ある会社は賃上げ率5%という大手企業と同じ賃上げ率を実現できることを確信しました。もちろんそれは今まで以上に高い経営目標でしたが、社員は「その高い賃上げ率を実現するためにお互い協力し合って行こう」という固い意志を持つようになります。
これはとても大事な社員教育の一つでしょう。社員の賃金を上げるためには高い業績を実現しなければなりません。この最も大切なことが、賃上げ率を通じて教育できるようになりました。
「そんなことは何度も何度も社員に説明してきた」という経営者もいます。しかし「業績の実現度合いによって賃上げ率がどう変わるか?」まで具体的に説明できている会社はそうそうありません。
今後は、業績の変化によって賃上げ率が変わることを明確に説明することです。その説明を聞いた社員は、例外なく経営目標の実現に取り組むようになるでしょう。
では、経営目標を実現するためにはどうすればいいか。全社員が成果を上げられるよう成長することです。そのためのツールが人事制度であり、その中にある「成長シート」です。
成長塾全国大会に参加された経営者の社員は「この会社の成長シートで全ての社員が成長することが業績を向上させる最も早道である」ことを再確認しました。実践することで、全ての社員が成長し、業績を向上させ、賃上げを実現したのです。
単なる評価のためのシートではなく、全社員がお互い協力しあいながら成長するためにあるのが成長シートです。このツールの必要性はますます高まってきました。
まだ成長シートをつくっていない方はぜひ成長塾に参加して、社員を成長させ社員の賃金を上げてください。
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