第218話 社員を利己主義にする賃金制度と利他主義にする賃金制度の違い

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第218話 社員を利己主義にする賃金制度と利他主義にする賃金制度の違い

2024-07-23

一般的に、経営者が賃金制度をつくる理由は「昇給・賞与の決め方を社員に説明できるようにしたいから」です。

社員数が10人程度であれば経営者が現場にいることが多く、社員は「経営者は現場での自分の活躍を見て賃金を決めている」という安心感を持って仕事をしています。

しかし、社員数が増えていき、経営者と社員の間をつなぐ中間管理職の社員が任命されると、現場の社員は「どうやって昇給・賞与を決めているのだろうか?」という疑問が頭をよぎるようになります。経営者が現場に出ることが少なくなったことで、現場での活躍がきちんと賃金に反映されているのか不安になるのです。

そこで経営者は、どのように昇給・賞与を決めているかを社員に説明するために賃金制度をつくろうとします。しかし多くの場合、社員がその賃金制度を見てもどう決めているかは分かりません。賃金制度そのものが難しく、どのようなときに昇給・賞与が増えたり減ったりするのかが分かりにくいため、理解できないことがほとんどです。

それ以上に問題になることがあります。このつくった賃金制度により「優秀な社員にはたくさん賃金を出す」というメッセージが発信されてしまうことです。

今高い成果を上げている社員と、まだ成果の低い新入社員では昇給・賞与が違うのは当たり前です。しかし、この昇給・賞与の違いを知った社員には「成果の大きさによって賃金が違う」と理解されてしまうのです。

その結果「この会社では高い成果の優秀な社員がたくさん昇給・賞与をもらえ、賃金が少ない社員は優秀ではない」と社員は思い込みます。このことが原因で昇給・賞与が発表されるたびにやる気を落とす社員が増えているのですが、経営者は気が付いていないでしょう。

そして、このように思い込んだときから社員は【利己主義】になっていきます。「自分はたくさんもらおう。そのためには少なく支給される社員がいてもいい」と考えるようになるのです。さらには自分がたくさんもらうためには、自分以外の社員はあまり優秀にならない方がいいとして、成果が上がらずに困っている社員を助けることを控えるようになるのです。

このままでは優秀な社員がさらに優秀な社員になることはなくなります。個人で高い成果を上げても、会社全体の業績が上がらなければその優秀な社員も昇給・賞与が増えることはありません。昇給・賞与が増えなければ優秀な社員のやる気は下がり、業績も下がり続けることになります。

まずは全社員に知ってもらうことがあります。他の社員を助けなければ会社全体の業績が良くならないこと、そして会社全体の業績が良くなると全員の昇給・賞与も多くなることです。

経営者は、全ての社員に昇給・賞与をたくさん出したいと考えています。少なくしたいと思う経営者はいないでしょう。社員によって昇給・賞与の金額は違います。しかし、これは社員の優秀さの違いで差をつけているという説明は間違っています。どの社員も成長することで昇給・賞与が増えていくのです。

全ての社員が成長することで会社全体の業績は良くなります。業績が良くなれば、全ての社員の昇給・賞与が良くなるのです。この説明ができるようにならなければなりません。業績が良くなれば全社員の昇給・賞与が多くなる。それが最も良いと考えられるような社員に育てることです。

自分だけではなく、この会社で働く全ての社員の昇給・賞与が増えた方がいいと考えられるようになること。つまり、利他主義の考え方を持つ社員に成長させなければならないでしょう。

このように、賃金制度は全ての社員が一緒にこの会社で良くなることを目指す【利他主義】の社員に成長させるような仕組みであることがとても重要です。

今、賃金制度をお持ちの方はそうなっているかを確認してください。もし、そうなっていないのであれば、賃金制度の見直しが必要でしょう。また、社員を利他主義の社員に成長させ業績を向上させたいとの想いをお持ちの経営者の方は、ぜひ成長塾にお越しください。

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