第216話 賞与による正しいモチベーションアップの仕方
2024-07-09
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7月は夏季賞与の時期です。もうすでに賞与の金額は決まっていて、後は支給するだけという会社も多いでしょう。
今までの経験で申し上げると、約30人規模の会社で経営者が夏の賞与を決めるのにかかる時間は、平均的に30時間ほどです。一度決めてもすっきりすることはなく、鉛筆なめなめでさまざまな加算・減算を何度も何度も繰り返し、最終的にはどうしてその金額になったのか経営者本人も分からないまま金額が確定します。
中には、賞与の金額を役員による調整会議で決定している会社もあります。そうそうたるメンバーが集まって、一日中かんかんがくがくと調整をしています。調整会議に参加したメンバーの時間も全て含めると、ゆうに60時間を超えるでしょう。
しかし、この賞与の決定に時間をかければかけるほど、社員から不平不満が出る賞与になると知っている方はどれぐらいいるでしょうか。
「賞与をたくさん出せば社員は喜ぶ」
その考え方は間違ってはいないでしょう。
しかし、企業経営において30年40年と連続して増収増益をする会社はほとんどありません。多くの場合は、業績が悪い年を経験することになります。そのため、どうしても前年と比較すると業績が下がってしまうときもあるのです。
そういうときに経営者は悩みます。社員は頑張っている。しかし、業績が悪いからという理由で賞与を下げてしまったら、社員は納得できず辞めてしまうのではないかと心配し、業績が悪くても前年の金額を維持することもあるでしょう。
これはひとえに、「社員の賞与をたくさん出してあげたい」という経営者が取る行動です。しかし、結局社員は、この賞与の金額がどうしたら増えるのかを説明されないまま支給されますので、昨年と同じ金額だとしても今後も増えるかどうか、漠然とした不安が頭をよぎることになります。
賞与の金額を増やしてあげることはもちろん大切ですが、それ以上に大切なことは、賞与の金額を増やすためにはどうすれば良いのかを社員に教育することです。
今までの日本では経営者が「頑張った社員には賞与をたくさん出す」と言ってきました。しかし、30人いる会社であれば、一番高い賞与をもらえるのはたった一人です。これでは残りの29人はまるで「頑張っていない」と誤解をするような発言になっている可能性があります。
賞与は経営者の持っている想い、「社員全員にたくさん出してあげたい」ことが社員に正しく伝わらなければなりません。そのため、賞与は個人の配分よりも、会社の業績に合わせて全社員の賞与の合計金額(賞与原資)がどのように計算されるのかを示さなければなりません。
それも、賞与を支給する月になってから突然賞与原資を発表するのではなく、賞与の対象期間の間、毎月毎月賞与原資を計算して社員に発表することがとても重要になります。これにより、賞与の金額は会社の業績によって左右されることを社員は理解します。
賞与をたくさん得るために社員が取るべき行動はたった一つ。全社員で協力し、教え合って成長することです。全社員が成果を上げることで、会社全体の業績が上がり、結果として賞与が増えます。この教育をすることがとても重要です。
会社の業績によって社員一人一人の賞与は増えたり減ったりしますが、この教育をすることで社員は何ら不平不満を持つことはありません。それよりも、賞与の金額が下がらないよう、全員危機感を持って仕事に取り組むようになるでしょう。お客様に喜んでもらう仕事に一生懸命取り組むようになります。それが最大の教育なのです。
賞与は個別に金額を決める前に、会社全体の合計金額をどう決めるかが最も大事であることを知っていただきたいと思います。
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