第206話 業績を上げる、日本で最も簡単な方法がある
2024-04-30
これから、中小企業であっても賃金を上げることは必要になります。賃金を上げるためには業績を向上させなければなりません。
「業績が良くなければ、賃上げすることはできない」
この当たり前の問題を解決するために、多くの中小企業経営者は頭を悩ませています。しかし、会社の業績を上げる特別な方法があるとしたら、その方法を試してみたいと思いませんか? 実は、その方法は既に会社の中に存在しているのです。このことに気が付いた魚屋は上場できるほどの業績になりました。
全ての会社には必ず「組織原則2:6:2」があります。相対評価ではありますが、成果の高い社員が2割、まあまあの成果の社員が6割、これからだという成果の社員が2割います。つまり、全ての会社には成果を上げるやり方が確かに存在しているのです。
多くの経営者がこの事実に気が付いていません。もし、成果を上げている社員のやり方を全社員が真似して実行すれば、業績は間違いなく現在の1.5倍になります。
この1.5倍にする方法はとてもシンプルです。成果の上がっていない社員は、成果の上がっている社員からやり方やコツを教えてもらい、それをそっくりそのまま真似ればいいのです。
もちろん、今まで成果の低かった社員が教えてもらった翌日から成果が大きく上がるわけではありませんが、教えてもらったことをやって少しでも成果が上がれば、社員はその可能性を実感することができます。可能性を実感した社員は「教えられた業務をしっかりやり切ろう」と思うようになります。これを通常「やる気が出た」と言います。
このプロセスで、組織の中にある風土が生まれます。それは「教え合う風土」です。教えられた人は感謝するでしょう。教えた人は感謝されることに喜びを感じ、さらに全員が高い成果を上げるようになります。結果として会社全体の業績が徐々に良くなっていくのです。
経営者は必ずと言っていいほど「業績を上げるためには何か新しいことを会社で取り組まなければならない」と考えてしまいますが、新しいことへの取り組みは自社にとって大きな負担になります。これは過去に何度も経験されてきたかもしれません。
もし、成果を上げるやり方が既に社内に存在していて、それを全ての社員に共有化するだけで業績が向上すると分かればどうでしょうか。これほど簡単なことはないでしょう。
その業績向上にとても役立つのが「成長シートⓇ」です。
成長シートは優秀な社員をモデルにつくります。優秀な社員は高い成果を上げています。その成果を上げるための因果関係がある業務を「重要業務」として成長シートに記載するのです。
他にも、上司が普段部下に教えている業務(部下指導)も「重要業務」になります。現在上司の立場にいる社員は、もともとは一般階層で成果を上げて優秀だったから中堅階層にステップアップしました。一般階層で成果を上げるやり方を知っていることは紛れもない事実です。上司が普段部下に教えていることを、その部下だけでなく全ての一般階層の社員にやってもらうことで、さらに会社全体の成果を上げることにつながります。これが「成長シート」の真骨頂です。
「優秀な社員が成果を上げるためにやっていること」「上司が部下に指導していること」を重要業務として成長シートに示すことで、全ての社員はその業務をやれば成果が上がると分かります。
実際に成長シートを運用することで、全ての社員の評価を「成長点数」として数字に表すことができるようになりますが、成長シートの活用を始めた時点では全社員の平均点は50点です。平均 50点で今の業績ならば、全社員の平均が80点以上になれば業績は1.5倍になるという理屈は十分に理解できると思います。
ポイントの1つは、教えた社員に対する評価をしっかりとしてあげることです。リップサービスではダメです。成長シートでは「他の社員に教えていた」ことで最も高い評価を得ることが約束されています。高い成果を上げている優秀な社員が80点まで成長点数が高まったとしても、教えない限りそれ以上の点数をとることはできません。成果の上がっていない社員に教えることで80点以上の点数になっていくように、分かりやすい仕組みにしなければならないのです。
これにより、優秀な社員は成果を上げるやり方を他の社員に教えるようになるでしょう。そして他の社員からは尊敬のまなざしで見られるようになります。成長シートがあることで、社員はお互いに助け合い、教え合って成長していくのです。その結果として業績が向上します。
どうでしょうか。成長シートによって、今目標にしている高い業績を現在の社員で達成することができます。それと同時に高い賃上げ率を実現することができるのです。
これほど簡単なことで、社員の賃金を高くすることができます。今すぐ、できるのです。成長シートをつくって挑戦してください。
この挑戦をしたい方は、弊社の行っている成長塾にご参加いただきたいと思います。
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