第204話 相対評価で賃上げ額を決めてはいけないのです

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第204話 相対評価で賃上げ額を決めてはいけないのです

2024-04-16

人事制度、賃金制度を持っていない経営者は“勘“で賃上げを決めています。この勘で決めた賃上げ額は間違っていません。ここが一番重要です。

一般的に、多くの経営者が「勘で決めた賃上げ額が間違っているのではないか」と心配しています。そのため「正しい賃上げの方法」を探すようになります。いわゆる、さまざまなセミナーや研修に参加して、どの方法が一番正しいのか検討し始めます。

しかし残念ながら、これまで経営者の勘で決めてきたこと以上に正しい賃上げの方法は存在しません。経営者はさまざまなことを考え(もちろん、そこには経営者の感情も入りながら)賃上げ額を決めています。

「この決め方で本当に良いのかどうか?」不安がいっぱいで自信がないゆえに、どうしても誰かに頼りたくなるのでしょう。しかし、ここは「自分の決めた金額は間違っていない」と自信を持たなければ、今後失敗せずに運用する人事制度、賃金制度の構築をすることはできません。

まずは経営者自身が今まで決めてきた賃金は間違っていなかったことを知り、そしてその決め方に自信を持ってください。

ここで問題になるのは「間違った決め方ではないのに、社員に説明できない」。たったこれだけです。その決め方を仕組みにしていないため、気付かぬうちに問題発言をしてしまうこともあります。

例えば、「頑張った社員にはたくさん賃上げします。たくさん賃金が欲しい人は頑張ってください」と社員に向けて発言している経営者は、この発言に問題があると気が付くことはないでしょう。

どこが問題か分かるでしょうか? それは仮にこの会社に100人社員がいたとしても、一番賃上げ額が高い人は1人しかいません。残りの99人はこの1人よりも賃上げ額が少ないことになります。つまり、万が一社員が賃上げ額を見せ合った時に、一番多いのはたった1人と分かります。

つまり、これは「相対評価によって賃上げ額を決める」と発言したに等しいのです。賃上げをした後で「私は評価されてたくさんもらえた」と思える社員はたった1人。残りの99人、99%の社員は残念ながらモチベーションをガクンと落とすことになります。優秀な社員ほど落ち込みは大きいでしょう。

全体的にたくさん賃上げをしたとしても、先ほどの経営者の発言によって多くの社員はやる気を落としていることに経営者本人は気が付いていません。

この問題を解決する方法はたった一つしかありません。それは賃上げの方法を仕組みにして社員に説明することです。それによって、社員は成長する度に賃上げ額が増えることを事前に知ることになります。

この賃上げする方法を可視化、仕組化する。それが賃金制度であり、賃金制度の構築は全ての社員のやる気を落とさないようにするためにとても大事なことです。

貴社では、全社員のモチベーションを維持するための賃金制度をお持ちでしょうか。もし賃金制度がなければ当社のグループコンサルティング「成長塾」で簡単につくることができます。ぜひ成長塾にお越しください。

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