第200話 優秀な社員のスカウト型突然退職を止められるか

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第200話 優秀な社員のスカウト型突然退職を止められるか

2024-03-19

最近の中途採用の方法は「スカウト型採用」に徐々に移行しつつあります。自社の社員が密かにスカウトサイトに登録している可能性も否定できなくなりました。

そうした背景から、社員が突然何の前触れもなく「退職願」を持ってくることがあります。その多くは社内で高い評価を得ている社員です。理由は単純で、スカウトサイトで今よりも高い年収を提示されたからです。

社員は誰しもがもっと賃金をもらいたいと思っています。ですが、日本の国民性を考えると社員は会社に対して賃金交渉をしてくることはほとんどありません。そのため、日本的経営の特徴の1つである企業別労働組合が社員を代表して経営者と賃金交渉をしています。

しかし、企業別労働組合がない企業では個人で賃金交渉しなければなりませんが、個人による賃金交渉の実例はほとんどないでしょう。そのため、組織原則2:6:2の上の2割である優秀な社員は「自分がきちんと評価されているように思えない。自分の賃金は低く抑えられているのではないか?」という思いを常に持っています。

この優秀な社員はほぼ賃金交渉をしてきませんが、自分の市場価値を知りたくなります。そこで、その価値を確かめるためにスカウトサイトに登録してしまっているのです。

仮に現在年収400万円の社員がスカウトサイトに登録したとします。そこで年収600万円を提示するスカウトの話が来たらどうでしょうか。あまりにも高額な年収に驚きながらも、そのスカウトの話に乗ってしまう可能性は十分にあります。その結果として、突然「退職願」を出されてしまうのです。

何も問題がなかったのに急に「退職願」を持ってきた。最近はこういった相談が一気に増えてきました。ここまでくるとほとんど打つ手がありません。

こうしたスカウトによる突然の退職を防ぐために、「我が社ではどうすれば賃金が増えるのか?」について説明する必要があります。その上で、社員が仮に定年退職まで30年間あるとすれば、30年間でどれだけ賃金が増えるかを社員本人が計算できなければなりません。

この会社で働き続けるとどれだけ賃金が増えるか分かる仕組み、いわゆる「自分独自のモデル賃金」を設計できるようにすることで、このスカウト型突然退職を防ぐことができます。

このモデル賃金の設計を通じて、会社の業績が良く、そして自分が一般階層から中堅階層、そして管理階層に成長していくと、将来的にどれだけ賃金が増えるのか具体的な金額で確認することができます。これは、社員に対する100%リスクのない約束です。

スカウトサイトが転職後のモデル賃金を提示してスカウトすることはありません。なぜなら、スカウト時に提示した年収を守り、そして入社後それ以上に増えていく保証はしていないからです。スカウト先から求められたことができなければ、次年度の年収はもちろん下がります。年収を維持するためには厳しい条件があるのです。世の中それほど甘くはありません。

社員は自分のモデル賃金を自分で設計することで、スカウトサイトの高い賃金だけに目を奪われて安易に転職することはなくなります。

日本人は基本的に賃金交渉しませんので、賃金がこれからどう増えていくのか説明できる会社にならなければなりません。この説明が出来なければ、優秀な社員ほどスカウト型突然退職する可能性があります。早急に対応策を講じなければなりません。この優秀な社員が「辞める」と言ってきたら、ほぼ引き留めることは不可能です。

優秀な社員のスカウト型突然退職を防ぐために、「自分独自のモデル賃金」を設計する仕組みを入手したい方は、ENTOENTOのグループコンサルティング『成長塾』にご参加ください。優秀で真面目な社員は辞めなくなります。賃金に対する理解が早いからです。

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