第199話 優秀な社員の退職を引き留める方法
2024-03-12
社員の定着率を高めることは、経営者にとって重要な課題です。さまざまなセミナーに参加したり、多くの書籍に目を通したりして、必死に社員を定着させようとしているでしょう。
しかし、そうしたセミナーや書籍を参考に手を打っても、実際に社員の退職を止めることはできません。その理由は簡単です。社員の【本音】の退職理由が分かっていないからです。
そもそも、社員が退職する本音の理由で多いのは「評価や賃金に納得できないから」です。さまざまな機関が行った調査でも、本音の退職理由のベスト3に必ず入っています。
この評価と賃金の問題を解決しない限り、社員の定着率を上げることはできません。なにより問題なのは「賃金が低いことに納得できない」「評価に納得できない」という理由を直接述べて退職する社員はほとんどいないということです。
社員が辞めるときはほとんど引き留めようがない【建前】の理由を述べて辞めています。経営者はどうして社員が辞めたのか、その真実を知ることができていません。退職する本当の理由を知らない限り、社員の定着率の問題は解決できないと早く気が付かなければならないのです。
こうした問題を解決する簡単な方法が1つだけ存在します。簡単ですが、少し驚くかもしれません。それは、社員に評価や賃金について納得できないことがあれば常に質問してもらうことです。
そうは言っても、会社に対する要望や不満、納得できないことを口に出すことは、社員はためらいがあるでしょう。ですから社員には事前に「こうした質問をしてもいいですよ」という例題を示すのです。
そして実際に社員から質問があれば、その質問内容と回答を社内報に掲載して、社員に「会社にこんなことを聞いてもいい、不平不満を口にしてもいい」と知らしめるのです。社員が質問や不平不満を打ち明けることができる環境をつくり、その内容に対応する解決策を立てれば良いのです。
人事制度は社員のためにつくります。社員が評価や賃金といった人事制度上で納得できないことがあれば説明するのは当然です。基本的に、社員のためにつくった人事制度だからこそ、この説明が簡単にできるようになります。
社員の人事制度に対する不平不満は誤解からきている場合がほとんどです。誤解が解けた社員はこの会社はいかに社員の幸せを考えている会社であるかを知ることになり、周りの社員に「この会社はすごい会社だ」と伝えるようになるでしょう。
もちろん、社員の「納得できない」という発言は、経営者からすれば腹が立つこともあるでしょう。しかし、この社員は自社にずっと勤めたいという気持ちがあるからこそ「納得できない」と発言するのです。「納得できない」という社員は、納得できたらこの会社に引き続き勤めていきたいと意思表示していると思わなければなりません。
このような対応ができれば、評価や賃金に納得できず、建前の理由を述べて退職する社員はいなくなります。事実、こうした仕組みをつくり上げたことで社員の定着率が100%になった会社が続出しています。定着率は仕組みで向上させなければなりません。
もし社員のために仕組み(人事制度)をつくり定着率を100%にしたいという方は、ENTOENTOのグループコンサルティング『成長塾』にご参加ください。
●コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。
※ 成長塾についてはこちら ※ 資料請求はこちら ※ 松本順市の書籍はこちら