第198話 優秀な社員はなぜ優秀なのか誰も知らない
2024-03-05
どの会社にも優秀な社員はいます。しかし、優秀な社員がなぜ優秀なのか、そのプロセスを知っている人は経営者も含めてほとんどいないでしょう。
優秀な社員は「さまざまなことにチャレンジして成果を上げている」から優秀なのです。
優秀な社員とはどのような社員か考えたとき、このチャレンジが成功する確率が高い社員と考えるかもしれません。しかし、実際は成果の高い社員も低い社員もチャレンジの成功率はほとんど変わらないのです。会社全体の成功率が3割だとすれば、優秀な社員でも成功率は3割といえるでしょう。
では、なぜこの優秀な社員は高い成果を上げているのかというと、それはチャレンジ回数が多いからです。優秀な社員は日々多くのチャレンジをしているため、数多くの成功がある一方、失敗の山も築き上げているのです。優秀な社員は最も失敗の多い社員ともいえます。
ところが、会社で人事制度を導入すると、この優秀な社員はチャレンジをしなくなることがあります。「人事制度によって評価されるようになると、失敗すれば評価が下がるのではないか」と不安を感じて、チャレンジすることをためらってしまうのです。実際に大手企業ではその傾向が強いといえます。失敗すると出世に影響するからです。このことは社員も分かっています。
業績を向上し続けるためには、優秀な社員が常にチャレンジすることができ、多くの成功事例をつくりながら成果を上げ続ける環境を提供することが必要です。
チャレンジの数が減れば、失敗の数はもちろん減りますが、同時に成功の数も減るのです。これでは今まで目覚ましく成長してきた優秀な社員の成長スピードが急に弱まることになります。人事制度を導入した経営者の悩みの一つ「人事制度をつくったら優秀な社員が成長しなくなった」というのは、ここに原因があります。
そのため、人事制度をつくった時点で「失敗をマイナス評価しない」ことを仕組みとして説明する必要があります。
例えば、人事制度で決まった評価の点数をそのまま昇給・賞与の決定に活用するとき、失敗してもこの評価点数がマイナスになることはないと分かったらどうでしょうか。この会社は失敗しても評価、そして処遇が下がることはないことが明確になります。
先述したように「優秀な社員は多くの失敗をしている」ことを理解しているある会社では、失敗した内容を社内報などで社員に公開しています。これは失敗をマイナス評価していないと社内に告知している良い事例でもありますが、社員としては「実際の昇給・賞与といった処遇には失敗は反映されるのではないか?」とやはり一抹の不安が残ります。
今、人事制度を運用している会社は、マイナス評価はしないことをしっかり仕組みにしているでしょうか。もししていなければ、密かに優秀な社員が成長に足踏みしている可能性があります。
ENTOENTOの人事制度は「成果の評価」と「プロセスの評価」の合計である成長点数で、そっくりそのまま昇給・賞与を決めることができます。調整会議等をせずとも社員の成長度合いを成長点数として確定することができる仕組みです。社員から一切不平不満がでません。
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