第196話 上司の定着率を高める意外な方法

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第196話 上司の定着率を高める意外な方法

2024-02-20

「上司の定着率」と聞くと、不思議な感じがするかもしれません。

上司に任命したばかりの社員が「上司として部下を指導することは無理なので降職させてください」と申し出てくることがあります。そうなると、まさかその後も継続して上司に就かせるわけにはいかないため、部下を外し、役職を解かざるを得なくなります。

一般階層では優秀な社員であり、中堅階層になれば上司として大いに活躍すると期待していたのに、この発言は経営者からすればとても残念で仕方がありません。

しかしこれは決して解決できない難しい問題ではないのです。

日本では一般的に、現場で働く一般階層(プレーヤー)の社員がステップアップして中堅階層(プレイングマネジャー)になります。成長シートⓇがある企業では、中堅階層の成長シートと一般階層の成長シートで“ある違い”があります。

それは中堅階層の成長シートには遂行すべき業務(重要業務)に「部下指導」が加わることです。この「部下指導」という重要業務は、中堅階層にステップアップして上司になってから初めて取り組むことになります。

今まで行ったことのない重要業務「部下指導」は、全上司が1点からスタートすることになりますので、中堅階層にステップアップしたばかりの上司の「部下指導」の評価は例外なく1点です。つまり、どの上司も「部下指導ができない」ところからスタートするのです。

上司になるまでにさまざまな研修を受けていたとしても、実際に部下を指導するのは初めてのことであり、戸惑いもあるでしょう。

そして、部下が自分の指示命令に従わないといったことも経験することになります。場合によっては反発されることもあるでしょう。このとき「自分は期待されて上司に任命されたのに、思ったほど部下指導の仕事ができない」と落ち込みながらも努力し続けていくでしょう。

しかし、それでも部下指導が上手に出来ないことが続くと、やがて自分は部下指導が不得手であるという結論に至ります。そして経営者に「私は上司の立場で仕事することは無理です。元のプレーヤーの仕事をさせてください」と申し出てくるのです。

もっとも、経営者からすれば残念ではありますが、この上司は一般階層時代のプレーイングの仕事はとてもよくできていたので、今後は部下を持たずにプレーイングの仕事に注力してもっともっと活躍してもらえばいいと思うようになります。これが一般的な対応になるでしょう。

しかし、本当はその対応ではいけないのです。経営者は上司になる社員に対して前もって次のように伝えなければなりません。

「あなたは部下指導をしたことがありません。そのためこの中堅階層の成長シートにある部下指導の点数は1点です。つまり、あなたの部下指導は『全く遂行できない』ところからスタートします」

「当社ではプレーヤーの仕事で一人前になるためには10年かかりますが、この部下指導は部下を一人前に育てる重要業務のため10年以上かかると思ってください。やがて部下指導が少しできるようになると、評価は2点になります。それだけでも数年はかかることを知っておいてください。これは決して部下指導が不得手なのではなく、どのような上司も部下指導はすぐにはできず、徐々にできるようになっていくからです」

このような説明をしている会社は皆無でしょう。しかし、この説明をしていないために上司の立場を諦める社員が出てきてしまうのです。これは非常にもったいないことです。

今後はこのように、辞退者を出さずに徐々に部下指導ができるよう上司をじっくり育て上げてもらいたいと思います。

今後は、この大切な説明を「初めて上司になる社員」にしてください。

 


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