第188話 経営者が知るべき「たくさん出す」ことが逆効果になる理由

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第188話 経営者が知るべき「たくさん出す」ことが逆効果になる理由

2023-12-19

経営者と社員では、昇給・賞与に対する考え方が大きく異なっています。このことを知らないと、たくさん昇給・賞与を出したことが逆効果になってから後悔することになります。

経営者は「昇給・賞与をたくさん出せば社員は感謝し、また明日からも頑張るだろう」と思っています。ところが、社員は実際のところそうは思っていません。「たくさん昇給・賞与をもらえたのは、今までの自分の頑張りを評価してくれた結果だ」と思っています。

昇給・賞与に対して、「たくさん出したからこれから先も頑張るだろう」と今後を期待している経営者と、「たくさんもらったのは今までの自分の頑張りを評価されたから」と理解している社員、思いが一致することは永遠にありません。

社員は、たくさんもらえれば当然うれしいでしょう。「これからも頑張ろうかな」と思うこともあるのは確かです。しかし、他の社員の昇給が5,000円のときに、自分1人だけが1万円だったとすれば、「自分は他の社員よりも高く評価されたからこの昇給額になった」と考えます。そして、「今まで以上に頑張れば、次は1万5,000円や2万円の昇給になるだろう」と勝手に予想をしてしまいます。

経営者がこの社員に1万円昇給をしたのは、本来の昇給理由である「社員の成長を評価した結果」と、それ以上に「これからも頑張ってもらいたい」という思いがとても強く込められている場合があるのです。いわゆる期待給です。このように、昇給した理由を考えれば、1万円の昇給だった社員が次の年に2万円昇給することは基本的にないことが分かるでしょう。

しかし、社員からすれば昨年以上に頑張ったのに今年が2万円昇給ではなかったときは、経営者の思いとは裏腹にモチベーションがガクンと下がってしまいます。

「前回たくさんもらえて嬉しかったから、それ以上に頑張った1年間だったのに、今度は5,000円に下がった。こんなにいい加減な昇給の決め方をしている会社に長く勤めることは無理だ」と、密かに転職活動をすることになるでしょう。
このように、たくさん昇給・賞与を出した社員が次の年に辞める確率は、意外にも高いのです。思い当たる節のある経営者もいるかもしれません。

たくさんの昇給・賞与を出すときには、必ず「理由」が必要です。そして、説明がなければなりません。そのために人事制度があると考えてください。人事制度があれば社員の評価がどのように決めているのか、そして昇給・賞与はどのように決めたのかが分かります。

例えば、1万円の大きな昇給があった理由は、通常の社員は標準年数で昇格するところ、この社員は優秀なため最短年数で昇格したからと理由が分かれば、社員は次の最短昇格に向けて一生懸命仕事に取り組み、成長しようとするでしょう。

そして、毎年最短で昇格することは当然ありませんので、次の年の昇給が5,000円になったとしても、社員は何ら不平不満を言いません。それどころか、次の成長に向かって今まで以上に仕事に取り組むようになるでしょう。

大事なことは、昇給・賞与をたくさん出すことではありません。「どういうときに昇給・賞与が増えるのか」を説明できる会社になることです。これがない限り、社員は金額の変動に不安を感じて辞めることになりかねません。

昇給・賞与の金額の変動について、理由を説明できるでしょうか?

 


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