第180話 全社員が本音で目指す経営目標の立て方

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第180話 全社員が本音で目指す経営目標の立て方

2023-10-24


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令和6年以降の賃上げ率は、毎年3%以上が当たり前になるような状況になってきました。令和6年は7%賃上げすると発表した会社もあるほどです。令和5年に3%以上賃上げした中小企業は、決して多くないでしょう。そのため、この傾向に対して頭を抱えている経営者も多いかもしれません。

賃上げ率3%以上にするためにはそれだけ賃金原資を増やす必要がありますが、果たして自社は賃上げできるほどの原資をつくることができるかどうか、経営者は不安に思われているでしょう。

最大の悩みは、経営目標の達成に社員が賛成しない可能性があることです。この問題を解決しない限り、決して賃上げ率を3%以上にすることはできません。大切なことは経営者が社員の賃金を上げたいと考えて経営目標を設定したことを、社員に理解させることです。

経営目標の決め方は、経営者によってさまざまでしょう。その決め方を社員に一番理解させるためには、賃上げすると年間の人件費がどれだけアップするか、その人件費を負担するためにはどれほど粗利益を増やさなければならないか、そして最終的に売り上げはどれほど増やさなければならないか、全て計算して社員に説明するのです。

「3%賃上げするための経営目標は○○円です」
「4%賃上げするための経営目標は□□円です」
「5%賃上げするための経営目標は△△円です」
上記のように全て目標設定の根拠として賃上げ率を社員に示すことができます。
この経営目標を発表した時に、社員がどういう行動をとるか想像がつくでしょうか。ほとんどの社員は、賃上げ率5%の経営目標を目指そうとします。

もちろん全員がこの賃上げ率5%の経営目標を目指そうとはしないかもしれません。しかし、この経営目標を目指す社員が、反対する他の社員を説得するようになります。なぜなら、優秀な社員がいくら一人で頑張っても5%賃上げすることはできません。全社員が一緒に成長して成果を上げ、経営目標を達成することで初めて5%賃上げできると理解するからです。

一番簡単な方法は、一番高い成果を上げている社員のやり方を全員で共有化をして実施することです。これほど経営目標を簡単に、確実に実現できる方法はありません。こうして全社員で経営目標に取り組むようになります。

もちろん、賃上げ「率」の場合は現在の賃金が20万円の社員と30万円の社員で賃上げする額は違いますが、全社員が同率で賃上げできるため公平といえるでしょう。誰からも不平不満はでません。

この経営目標の発表の仕方をすることによって、経営者が先送りにしていた社員にとって最も大事な「賃金は業績連動であること」を教育できるようになります。賃上げするために経営目標があり、達成できなければ賃上げはできないことを知ることで、社員は厳しい環境だとしても全社員一丸となって目標に取り組み、優秀な社員は高い成果を上げているやり方を共有化するようになります。そしてこのことをよく理解した社員は、会社の高い経営目標に対して反対することはなくなります。

今の賃上げせざるを得ない経営環境は最悪だと発言する経営者もいるでしょう。しかし、その最悪の環境を最も簡単な方法で解決できることに気が付いてください。そのことに取り組んでもらえれば、この問題を解決することができます。

令和6年は賃上げ率3%を実現するための経営目標を発表しませんか?

 


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