第172話 評価はなぜ1年間に4回必要なのか?

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第172話 評価はなぜ1年間に4回必要なのか?

2023-08-29

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経営者の悩みの1つに「社員の評価を決める」ことがあります。本人評価と上司評価、そして組織的な評価を決めるため、かなりの時間を必要とします。そのため、できれば社員の評価を年に2回にしたいと考える経営者が多いようです。

評価の目的の1つは、社員の昇給・賞与を決めるためです。そのためだけに評価を決めると考えている方が多いでしょう。

しかし実は、昇給・賞与を決める以上に大事なことがあります。それは、評価が決まらない限りは有効な部下指導ができないことです。

例えば、ある成果を上げるための業務を「重要業務」と言いますが、その重要業務の遂行度を5段階で評価するとき、その社員が果たして1点なのか2点なのか3点なのか4点なのか5点なのか、評価を組織的に決めてフィードバックしない限り、上司は部下に対して的確な指導ができません。

仮に社員の評価を年2回、つまり半年に1回行うとすれば、上司は部下がどれだけ成長しているのか、そして部下本人は自分の成長度合いが半年間分からないままになります。

部下に対する指導は、組織的に決まった評価に基づいて行うことになります。部下は成長度合いを評価フィードバックで確認し、上司はそれに合わせた指導を行わなければ的確な指導にはなりません。年2回の評価では、半年間とても曖昧な指導しかできないことになります。曖昧な指導では決して部下の成長の役に立ちません。

本来、的確な部下指導のために評価をするのであれば、評価は毎月すべきでしょう。しかし、この評価を決めるための時間を毎月組織的に取ることは難しいでしょう。そこで、1つの妥協案として3か月に1回の評価になります。

仮に3か月に1回評価を行った際、本人評価と上司の評価のギャップ、または上司間の評価のギャップ(評価の甘辛)、または上司と経営者の評価のギャップが存在している間は、決して的確な部下指導ができていないことを表しています。このままでは部下を成長させることはできないでしょう。

この問題が解消されるとき、具体的には上司による部下の評価が組織的に評価を決める際に覆ることがない、つまり上司の評価=会社の評価になれば、この段階で組織的に評価を決めることは半年に1回でいいとなります。

上司の評価が常に組織として正しい評価になったことが確定すれば、その評価を基にして後々の昇給・賞与を決めることができるようになります。それまでは最低でも3か月に1回は必要でしょう。

私たちには忘却曲線があります。1か月も経つと8割のことを忘れてしまうのです。そのため、上司が6か月も前の部下の成長度合いを評価すること自体、相当な困難を伴うでしょう。

最低でも3か月に1回は社員の評価を決め、そしてフィードバックすることは必要であり、全上司が部下の評価を的確にできるようになってから半年に1回にすることです。評価を決めることは大変なことですが、それまでは3か月に1回評価してください。

社員の評価は年に何回行っているでしょうか?



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