第159話 今やらなければ3年後に採用はもっと難しくなる
2023-05-23
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経営者と社員には立場の違いがあります。社員にとってみれば、経営者の「頑張ったらたくさん賃金を出す」という話はにわかには信じがたい話です。
損益計算書をよく理解している社員は、社員の賃金を上げると会社の営業利益が減少することを知っています。つまり、社員の賃金を上げなければ営業利益は減らないため、社員は経営者の発言を信じていない可能性があるのです。そのため、これからの中小企業は実際に賃金を上げる可能性を説明できる仕組みが必要になってきます。
今後は社員の賃上げ率をデータで提示できない会社は社員を採用することができなくなる日が来ます。過去にも、社員がなかなか採用できないときがありましたが、なんとか採用できていました。しかし、これからはかつてないほどの採用難の時代が忍び寄っています。その時代の中で、これからは応募者から選ばれる会社にならなければいけないでしょう。
それでは応募者が会社を選ぶ基準は何かというと、最大の基準の1つは「賃金」でしょう。各企業が初任給を上げているニュースが流れていますが、これはこの採用難の時代に向けた対策の必要性を知らせる始まりに過ぎません。これから賃金相場は上がり続けていくでしょう。
しかし、毎年業績を上げる会社にならなければ賃金を上げることはできません。結果として、賃金が上がらない会社には誰も応募してこない時代がまもなくやってきます。
経営者は業績を上げることは難しいことだと考えているでしょう。しかし、決して難しいことではありません。
社内には優秀な社員と、まあまあの成果の社員と、これから成果を上げる社員がいます。その社員間の成果の違いは何であるか明らかにし、優秀な社員が成果を上げている理由を全社員に共有化するだけで、全社員の成果を上げることができます。
成果の低い社員をいくら叱っても成果が上がることはありません。既に経験済みでしょう。成果を上げる業務を知らないから成果が低いのです。成果の上がる業務を全社員に説明し、教え合って実践しなければなりません。全社員の成果が上がった結果、会社全体の業績が良くなります。そして、業績が良くなったら昇給・賞与も増やすことができます。
今までも業績が良くなった分、昇給・賞与を増やして「頑張ったらたくさん賃金を出す」と発言してきたことは間違っていませんが、社員はどう頑張れば賃金が増えるのか分かっていません。そのため、これからは社員の成果の違いをプロセスの違いと捉え、そのプロセスの違いを全社員に共有化することです。現在の厳しい環境でもこれは有効です。
この時代だからこそ、社員間の成果の差は広がっているはずです。それをグッと縮めることができます。成果の差を縮めることが会社全体の業績の向上につながります。そして会社全体の業績が良くなったときに、昇給・賞与が多くなることを社員に前もって説明することも必要でしょう。この説明によって社員の定着率は飛躍的に上昇します。
そして、その次に賃上げ率が毎年向上していることを社内にオープンにし、応募者に向けて提示することは絶対の条件となってきます。
今この仕組みをつくらなければ、3年後はもっと新卒が採用できない時代になってきます。今スグやるか、先送りするかは経営者の判断ですが、3年経って「あのときやれば良かった…」とならないように、今すぐ社員の成長、業績の向上、そして結果として社員の昇給・賞与を上げて毎年どのくらい賃金を上げているかデータ(賃上げ率)として応募者に発表できるように準備してください。そのことが当たり前になった時代に対応できる会社になっていますか?
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