第158話 初任給の高さだけでは優秀な社員の採用は困難
2023-05-16
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大手企業の初任給が上がり続けています。
この傾向は過去50年で初めてのことです。ますます大手企業と中小企業の初任給のギャップは広がるばかりです。
多くの中小企業の経営者は「これでは新卒社員の採用ができない…」と頭を抱えているでしょう。しかし、この時代だからこそ中小企業で活躍できる優秀な社員を採用できるチャンスと考えなければなりません。
もし、中小企業で初任給30万円にして、新卒採用の面接時に、志望理由をお尋ねしたとき「初任給が高いから応募しました」と答えられたら採用したいと思うでしょうか。初任給が高いから応募してきた学生を、嬉しそうな顔をして採用する中小企業はないでしょう。
元々日本ではいい高校に入り、いい大学に入り、そしていい会社に勤めることを親から教育されてきた可能性があります。少なくとも、現在40歳以上の世代の人たちはこの考え方で教育されてきた可能性が高いでしょう。ここでいう「いい会社」とは、「賃金が高くて安定的な会社」です。
現在では、一生安泰という夢に関してはもはや大手企業だからといって叶えられることはありませんが、大手企業に入社を希望する理由の一つは「賃金が高いから」でした。
では、この環境の中で次のような学生がいたらどうでしょうか?
「40年間、自分が成長のゴールである一般・中堅・管理階層の成長シートを見て、そのゴールに向けて着実にこの会社でじっくりと成長していきたい」という思いが強い学生です。
「中小企業の良さは出世競争がなく、全員が成長したら全員ステップアップできることがとても素晴らしい」と考えられる学生です。
「40年間、会社の業績がいいことが前提で、自分が成長したら賃金がどう増えていくかを理解し、賃金はしっかりとこの会社で成長して自分で獲得するものだ」と意識を持っている学生です。
このような学生を採用したいと思わないでしょうか?
・40年間の成長が分かる「成長シート」
・成長したら全員が一緒にステップアップしていけることが分かる「ステップアップ基準」
・40年間の自分の賃金がどのように増えるか分かる「モデル賃金」
この3つを明らかにしたときに、「こんな会社で働きたい」「自分の人生をかけてみたい」と発言して申し込んできたら、喉から手が出るほど欲しい学生と言えるでしょう。
実はそれができるのが今の時代です。
決して初任給が低いことを心配する必要はありません。いい会社は初任給が高い会社と思って就職活動している学生は、初任給の高い会社に行ってもらえばいいと思います。
しかし、初任給が低いとしても自分の人生をかけるに値する会社、自分でしっかりと能動的に成長していく意欲を持った学生がいるのであれば、そのような学生ほど中小企業で大いに活躍できると考えています。そのような学生が採用できるようになった時代と逆に考えていなければなりません。
そのためにこそ社員の40年間の段階的な成長を示す「成長シート」や、全社員が成長できる「ステップアップ基準」、40年間の賃金がどうなるかが明確になる「モデル賃金」を示せる会社にならなければなりません。これによって優秀な社員を採用できる時代になったと考えてください。
中小企業で活躍できる優秀な社員を採用する準備はできているでしょうか?
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