第154話 新卒社員が昇給に感謝する賃金制度とは
2023-04-18
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新卒社員に入社後最初に教えるのは学校と会社の違いです。
新卒社員は高校時代も、大学時代も、学校ではさまざまなことを学んできました。ただ、この学んだことが実社会において何に役立つかは明確ではありません。学校時代には授業料を払っていたにもかかわらず、多くの場合、学校で学んだことがストレートに社会で役に立つことは少ないでしょう。
しかし、これから会社で学ぶことは、実社会で役に立つ一生ものの力を身につけることになります。稼げる人間に育て上げるという言い方もあるでしょう。もちろん「稼ぐ」とはお客様の役に立つことであり、「お役に立った分だけ稼げるようになった」という意味合いです。
会社で学ぶことには順序があって、まずは「勤務態度」、次に「知識技術」、そして「重要業務」、この順番で学んでいきます。これらを学ぶことによって成果を上げることができるようになるのです。このように、この会社で学ぶことは一生涯役に立つ自分にとって大切なことを身に付けることだと、しっかりと教育しなければなりません。
ところが社員に勤務態度を守らせ、知識技術を習得させ、重要業務をできるように教育指導するにもかかわらず、会社は授業料を請求することはありません。
会社の学びは自分のためであり積極的に学ぶことが必要でしょう。身に付いたものが奪われることはありません。仮にどんなに財産を持っていたとしてもとられてしまえばゼロになります。しかし身に付けたものは一生ものであり、それは奪われることはありません。そんな素晴らしいものを身に付けさせてくれる会社であると社員に教育しなければなりません。
さらに、この会社の賃金制度もしっかりと説明する必要があるでしょう。多くの会社では新入社員も入社1年後に昇給をしているでしょう。この1年後に昇給する理由は何でしょうか。
この昇給は、新卒社員が組織貢献をしたから昇給しているのではありません。まだ成果を上げることができていないにもかかわらず1年後に昇給するのは、新卒社員は一から会社で学ぶことを大前提として採用しているからです。そのため一人前になる間、例えば10年間は新卒社員の生活を保障するために賃金が昇給されるのです。
会社によって支給項目はさまざまだと思いますが、例えば年齢給は現代では「生活保障給」という目的となるでしょう。会社によって違う標準昇格年数(5年~10年)の期間中は、生活保障給として昇給するという説明が必要です。
それによって社員は会社で仕事を教えてもらっているにもかかわらず授業料を払わなくていいことと、毎年この生活保障給が昇給されることに対して、大いに感謝の気持ちを持つことになるでしょう。
この教育をしておかないと、1年経って昇給をしても感謝することなく、ただ単に3000円、4000円昇給したことを聞くだけになります。
新卒社員は入社して、一から学びますが、「授業料を払うことなく会社から生活保障給として年齢給を昇給します」と説明しているでしょうか。
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