第139話 経営者の一番大切な仕事が、一番社員に理解されていない仕事
2022-12-13
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経営者の仕事で一番社員に理解されない仕事、それは意外だと思いますが、なんと昇給・賞与の決定なのです。
いよいよ賞与支給の時期になりました。社員を大切に育てている経営者は悩みに悩み抜いて賞与額を決めているでしょう。
賞与を決める時の経営者のこの悩みは、たった二つです。(A)賞与合計額をいくらにするか、そして(B)社員一人一人の賞与額をいくらにするか。この二つです。場合によっては1か月間もその金額決定に悩んでいる経営者がいます。それは取りも直さず社員に1円でも多く賞与を支給してあげたいと経営者の想いの表れといえるでしょう。
しかし、この仕事が大変だと理解してくれる社員はいません。そしてこの経営者が悩んでいること自体が大きな問題を発生させていることに経営者自身気がついていないでしょう。それは考えれば考えるほど社員に説明できない賞与になることです。あれほど苦しんで決めた賞与が理解されないのです。万が一、社員が賞与の金額の根拠を聞きに来たら困ります。
例えば、 Aさんの賞与が30万円、Bさんの賞与が25万円だったとします。 AさんとBさんが賞与支給日に、その賞与の明細を見せ合うと、Bさんが疑問に思い、経営者に質問することになるでしょう。
「なぜ私はAさんと比べて5万円少ないのですか?」
経営者はしっかりと考えて賞与の金額を決めたとしても、その金額の根拠が説明できません。その結果、Bさんに対する説明は次のようになります。
「BさんよりAさんが多いのはAさんの方が優秀だから」
社員にとって他の社員と比べられることが最も嫌であることを知って頂く必要性はありますが、今回BさんはAさんと比べられて「優秀ではない」とBさんは経営者の口から直接聞かされました。
世の中には状況によって賞与を支給できない会社もあります。しかし、25万円賞与をもらったBさんは、社長の説明を聞いた時からモチベーションが一気に落ちていきます。正しく説明できないことが、これほど大きな問題を起こしていることに経営者はあまり気が付いていません。
少し考えれば分かることですが賞与額を決めることはすべて計算式にすることができます。
(A)全体的な賞与の金額をいくらにするのか、そして(B)個人の賞与をいくらにするのか。賞与を決める経営者の考え方は全て計算式にすることができます。
そしてこの計算式を見た時に、初めて社員は経営者の想いを知ることになります。それは「この会社の業績が良く、社員が成長したら賞与を増やしたい」想いです。この想いを簡単な計算式で社員に説明することができます。そして計算式を示すことによって社員は誰一人としてその金額の根拠を聞くことがなくなります。つまり、賞与を支給する日に誰もモチベーションを落とすことがなくなります。経営者も質問がなくなったことによって気が楽になるでしょう。
毎年毎年の賞与を決める仕事は、経営者の大切な仕事です。その賞与を計算する仕組みはあるでしょうか? それは社員にオープンにしているでしょうか? そして社員からの質問はなくなっているでしょうか?
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