第137話 65歳以上の社員の納得できる賃金の決め方
2022-11-29
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日本の中小企業では、65歳を過ぎた社員の雇用がますます増えています。それは年金だけで生活するのは難しい現実があることが一つの要因でしょう。
もっとも、どの会社でも65歳以上で働いている社員は皆元気です。
「元気だから働いている」
「働いているから元気である」
どちらにしても働いている本人も良いし、会社にとっても良いことに間違いありません。
特に中小企業は常に労働力不足に悩まされています。そのため、65歳以上の社員が元気で働けるのであれば、継続して働いてもらうことはとてもいいことでしょう。
ただしここで問題になってくるのが、65歳以上の社員の賃金の決め方です。通常、中小企業は大手企業の人事制度の実践事例を見ながら自社の人事制度を検討することが一般的ですが、65歳以上の雇用に関しては大手企業の実例は数えるほどしかありません。そのため中小企業は独自で検討しなければなりません。
この65歳以上の社員の賃金を決めるためには、三つのことを考えなければなりません。
一つ目は働き方が変わるかどうかです。
働き方には「総合職」と「一般職」があります。総合職は職種も勤務地も限定しない働き方であり、一般職の場合には職種限定だったり、勤務地限定だったり、時間や日数限定だったりという働き方です。
元気であれば総合職のまま継続して働くことは可能でしょう。しかしだんだん体力が衰えてくると、職種限定や、勤務地限定の希望が出るでしょう。その時には限定職の賃金にしなければなりません。その賃金の決め方は現在も限定職で働いている社員がいれば、参考にすることができるでしょう。
二つ目は成長シートを独自に作成することです。
日本の中小企業には、部下を育てる「マネジメントコース」と自分で成果を上げる「プロフェッショナルコース」があり、基本的に社員をマネジメントコースで成長させようとしています。
一般階層で優秀であれば中堅階層、中堅階層で優秀であれば管理階層とステップアップさせています。元気であれば役職に就いて仕事をしているかもしれません。年齢的なこともありプロフェッショナルコースで仕事をしたい場合もあるでしょう。
65歳以上はいろいろな環境の変化があり、それに合わせて新たな成長シートを作る必要があります。ここでコースが変わり、仕事の内容が変わるとすれば、新たに作成する成長シートは難易度調整をしなければなりません。成長シートはもともと期待成果の大きさが明記されていますので難易度の調整が比較的容易にできます。
そして三つ目は雇用条件の違いです。働く日数が少なくなったり、働く時間が短くなったり、残業ができなくなったり、早朝や深夜の勤務が出来なくなったりすることを雇用条件の変更として捉えて、それに合わせて雇用条件係数を決め、基本給や成長給に掛けることになるでしょう。これは全て社内にオープンにすることによって、若い人も含めこれから65歳以降、その新しい働き方があり、それに対して賃金がどうなるか明確にすることができます。
65歳以上の社員は自分の将来に不安を持っています。
「雇用条件の変更は認めてもらえるだろうか」
「賃金はどうなるのだろうか」
この社員の不安に応えて、全ての社員にさまざまな働き方が可能であることを示しているでしょうか?
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