第135話 経営者が後継者の選定で今から準備すべきこと
2022-11-15
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現在、日本の中小企業では後継者問題が大きく取り上げられています。
経営者の年齢的なこともありますが、そろそろ自分も次の世代にバトンタッチして行こうと考えたときに後継者問題にぶち当たります。
例えば5年後に事業承継をしようとした時に「さあこれから誰に事業をバトンタッチするか」と考えることになります。この時までに誰を後継者にしたら良いか、明確に基準をつくっておく必要があるでしょう。
後継者にはなりたくないという社員はいるでしょう。しかし中には後継者として重責を担いたいと考える社員は必ずいます。この後継者になりたい社員の中から選抜することになりますが、後継者をどうやって決めるか曖昧なままでは、その後の経営に問題を発生させることになります。
「どうしてこの人が後継者になったのか?」
この社員の不安、または不平不満です。
このとき管理階層の成長シートがあれば、一言で済んでしまいます。
「現在いる管理階層の社員の中から、この管理階層の成長シートで一番成長点数の高い社員を後継者に任命します」
つまり、一番優秀な人にバトンタッチすることになりますので、社員から不平不満の出ようがありません。
管理階層の成長シートは基本的に経営者をモデルにして作成します。自分が優秀だと評価する社員にバトンタッチすることができれば、経営者自身も安心して事業承継できることになります。
ただし、数年で後継者を決めることはあまりにも難易度が高すぎると言えるでしょう。また、社員も突然後継者指名をされると戸惑いを隠せません。後継者を選ぶのは何十年もかける必要あるでしょう。社員には「後継者になるためには何十年もかけて計画・指導していくこと」を事前に知ってもらうことになります。
社員が入社する際、一般階層・中堅階層・管理階層を一つひとつステップアップしていき、管理階層の社員の中で優秀な社員が次の後継者になることを説明することが必要です。
大手企業と違って中小企業の場合、これから徐々に事業規模を拡大するために役職定年制度をつくる必要はありません。そして全ての社員が成長することで規模拡大につながりますので、誰かを振り落とさない限り上に昇進できないこともありません。
後継者はこの仕組み(ステップアップ制度)を活用して30年~40年かけて決めることになるでしょう。これによって経営者も冷静にその後継者の選定をすることができます。社員もいつかは経営者になる可能性があることを考えながら仕事をし、成長していくことになります。
後継者問題は経営者が次を指名するというだけの問題ではなく、指名される社員の心の準備を考える必要があります。それは事業承継のみならず、事業承継した後の会社の成長・発展を揺るぎないものにする計画となるでしょう。
後継者を任命するための仕組みはつくってあるでしょうか?
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