第121話 中小企業が初任給を引き上げるために絶対必要な準備
2022-08-02
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毎日のようにマスコミから新卒の初任給引き上げのニュースが報道されています。初任給を上げるためには、その原資が必要です。その原資は、生産性の向上によって生み出すことが可能です。
日本の大手企業と中小企業には生産性に大きな違いがあります。この理由は何であるかご存知でしょうか。
大手企業の生産性が高い理由は、生産性を上げる仕組みが多くあることです。大手企業には優秀な社員がいるため生産性が高いと考える方もいるかもしれませんが、それは違います。長い歴史の中で仕組みを多くつくってきたため、新入社員でも生産性の高い仕事ができるようになっているのです。
そのため、これから続くであろう初任給の見直しのために、中小企業でもやらなければならないことがあります。それは仕組みをつくっていくことです。
「ではその仕組みをどうやってつくればいいですか?」と質問をしばしば受けますが、決して難しく考える必要ありません。成長シートをご存知の方は、成長シートの構造を思い出してもらいたいと思います。
成長シートは優秀な社員をモデルにつくります。例えば、生産性の高い社員が何をしているのか、その業務を「重要業務」として特定します。この段階の成長シートにある重要業務は、あくまでも仮説です。高い生産性を上げている社員の重要業務が、成長シートを見ると分かります。そして、他の社員はその重要業務を知らず実施していなかったために生産性が低かった理由が分かります。
その重要業務が成長シートに可視化されると、高い生産性を実現したいと考える多くの社員がその重要業務に取り組むようになります。そしてその重要業務を遂行することによって高い生産性を実現できれば、初めてこの重要業務は仮説から多くの社員の検証を通じて実証されたことになります。
全ての社員がこの重要業務に取り組むことで、生産性が同じように高くなります。その時、この成長シートに書かれていた重要業務はすでに成長要素の役割を終えたことになります。そして、成長シートから外します。なぜなら、全ての社員がこの重要業務をやっているからです。
この重要業務を成長シートから外した時に、経営者・経営幹部はこの重要業務を仕組みにしなければなりません。この重要業務を仕組みにするとどういうことが起きるでしょうか。新入社員が入社してきても、この仕組みを使うことによって先輩社員が上げていた高い生産性を意識せずに実現することができるのです。
我が社の生産性の高いやり方を全社員が実行し、確かにその通りだと思ったことが仕組みになれば、全社員が喜んでその仕組みを使って高い生産性を実現することができます。この時にはもう「生産性を上げよう」という意識を持たなくても、その業務を行うことによって高い生産性を実現することができるようになっています。中小企業はその仕組みを次から次へと多くつくることが求められます。
仕組みがあれば、通常は一人前になるためには10年かかる新入社員が、入社時点で高い生産性を上げることができるようになります。この仕組みをつくることを継続して行うと、新卒の初任給は毎年上がっていく可能性がありますが、それを補えるほど生産性を上げられますので心配はいりません。
これからの時代は、中小企業であったとしても新入社員が入ってくる前に多くの仕組みをつくっておくことが必要であると思ってください。生産性は頑張れば上がるわけではありません。仕組みによって生産性を上げることで、継続的に生産性の向上を実現することになります。
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