第120話 人生100年時代には、40年間の○○賃金計画が必要
2022-07-26
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厚生労働省は公的データを民間開放し、将来の年金額を簡単に試算できるアプリの開発を後押しするようです。これにより資産形成の助言を受けやすくし、貯蓄から投資への流れを加速させようとしています。
老後2000万円問題などに対応できる、新たな動きといえるでしょう。この厚生労働省の公的データの開放は、若い人たちにとってとても役に立つ情報になるでしょう。
現在は65歳から年金を受給できますが、近い将来、この受給年齢が70歳以降になることは間違いありません。それ以上に「年金が支給されるとしても、果たして生活できるほどの金額が受給できるかどうか」が、今の若い人たちの悩みです。
この悩みを解決する方法を構築することは、企業にとって若い社員を採用できるチャンスだと私は考えています。特に中小企業で終身雇用制を採ることは、新卒採用の大きな武器になります。
ここで大事なことは、社員に自分の生涯賃金はどのくらいか、事前に分かるようにしなければならないことです。基本的に賃金は会社の業績が良い時に増えていきます。会社の業績と社員の成長、この二つの要素によって賃金は増えます。これは企業の大小にかかわらず、全て同じです。そのため、今までの昇給を基に分析をして、全ての社員がその会社での生涯賃金が計算できるようにしなければならないでしょう。
そして、生涯賃金には賃金と賞与が含まれています。生涯賃金を計算する時には、転職をしないことを大前提として計算します。
日本企業では、転職して一年目の賞与は満額出ないのが一般的です。そのため、転職する=生涯賃金を増やすことではないと、会社は社員教育をしなければならないでしょう。この会社で成長し、一般・中堅・管理職としてステップアップする。そして世の中に大きな貢献をすることで、自分の生涯賃金を増やすことができると説明する時が来たように思います。
人生100年時代に向けてどのように蓄財をしていけばいいのか、それを考えるためのデータが必要になってきます。生涯賃金を把握することで、初めて自分の将来の年金支給額が分かるでしょう。
将来の年金支給金額は、今の自分の生涯賃金がいくらであるか分からなければ計算はできません。決して難しい計算ではありません。今まで昇給してきた過去を分析しながら、社員が自分の生涯賃金を計算できるソフトを作成することをおすすめします。
このソフトだけであれば簡単にエクセルで作成できます。そのエクセルでつくった生涯賃金計算ソフトを、ぜひ若い社員を採用するための武器にしてもらいたいと思います。
単純に初任給の賃金を上げて採用する時代から、将来のことを考え、人生を計画する社員を採用する時代が来たことを忘れないでもらいたいと思います。
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