第107話 学校と会社の基本的な違いは何か
2022-04-19
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新卒社員が入社し、会社でさまざまな新入社員研修を実施しているでしょう。その研修を受けて、新卒社員はこの会社で優秀な社員になるまでをイメージします。
この研修では、新卒社員に「学校」と「会社」の”ある”違いを説明しなければなりません。
それは、会社には長期間かけて目指すべきゴールがあることです。具体的には「目指すべきゴールである優秀な社員になるまでに何年かかるか」を説明します。
学校では、試験の対象範囲を勉強すれば短い日数で高い点数(=高い評価)を得ることができます。成績表などで自身の評価を学期ごとに確認できました。1年生は1年後には2年生に進級します。中学・高校なら入学から3年後には卒業できると、ステップアップするまでの年数がハッキリと分かります。
しかし、会社は学校と違い知識の勉強だけで評価されることはありません。社員が優秀になるために必要な要素も、会社によって違いがあります。
ほとんどの会社で、新卒社員は入社後5年~10年の年数をかけて優秀な社員になります。この年数を表すのが「ステップアップ基準」の昇格年数です。一般職層で何点を取り、何年在級すると中堅職層になるのか、そして中堅職層から管理職層になるのに何年かかるか。これをオープンにすることです。
仮に、優秀な社員の成長点数が80点として、80点をとるためには入社後7年かかるとします。その場合「優秀な社員になるためには7年かかる」との説明になります。
入社して1年目でこの優秀な点数80点を取れることはあり得ませんが、「優秀な社員」を目指す社員は「こんなに頑張っているのだから、自分は80点だろう」と考えてしまう可能性があります。入社してから7年かけて点数を増やしていき、優秀な社員の80点を目指すということを、最初に説明しておかなければなりません。
会社によってこの昇格年数は違いますが、これを説明することで新卒社員が何年ぐらいかけて一般職を卒業して中堅職に行くのかがわかり、新卒社員の中期的な成長の計画に役立ちます。
7年かかるとすれば、1年間に点数が10点も上がれば十分優秀です。1年経った新卒社員に「あなたは今年1年間で10点成長して30点と立派な成長をしました」と言ってあげられることがとても大事です。
これによってその新卒社員は自分が成長したことに自信を持ち、次の点数を目指し成長するようになります。
「点数が低いから優秀ではない」という学校時代の考え方から「前の点数から伸びたことが成長であり、素晴らしいことである」と会社での成長の仕方を説明することができなければなりません。これによって新卒社員のモチベーションは継続的に向上することになります。
この学校との違いを説明することによって、一歩一歩、社員は焦らずに成長することができるようになります。
急いで次の階層へ行くのではなく、一般職層の段階でプレーヤーとして我が社のお客様に喜んでもらうための経験を積む。その大事な役割について知っておくことは、10年後、20年後、その社員が管理職になった時に大いに役に立ちます。
我が社の社会的な役割は、具体的には一般職層の社員の時代でしか実感することができません。新卒社員には何年かけて成長していくのか、標準昇格年数を説明し、じっくりと世の中の役に立っていることを実感しながら成長してもらいたいと思います。
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