第92話 社員が業績に関心を持つと何故か賞与が増える
2021-12-07
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経営者の次の相談は12月に入ると一気に増えます。とても深刻な相談です。
「賞与を支給する時期が近づくと、社員が『社長、今年の賞与は期待できますか?』と質問してきます。業績が良ければ賞与はたくさん出せるし、業績が悪ければ賞与は少なくなる。そんなの当たり前ですよね? どうして社員はそんなことも分からないのでしょうか?」
それは経営者にとっては当たり前のことですが、社員からすれば当たり前ではないのです。例えば、ある企業では毎年夏の賞与は1か月、冬の賞与は2か月と決めていました。これは社員にとってみれば、賞与は業績と全く関係ないものだと理解します。
この会社の場合、社員が業績に全く関心を持たないのは当然と言えるでしょう。そのため、社員に損益計算書を見せながら会社の業績を説明しても、全く聞く耳を持ちません。
会社の業績は全社員の成長の合計を表しています。にもかかわらず、業績に関心を持たないのは、社員それぞれが自分の成長に関心を持っていないも同様です。もし、会社に成長シートがあれば、社員は成長点数で自分の成長を確認し、関心を持つようになります。
また、成長シートには期待成果の大きさも評価されます。自分の期待成果が大きければ、当然会社全体の業績も良くなる。この因果関係を社員に理解してもらう必要があるでしょう。
そしてもっと大事なことは、業績によって賞与の合計額、“賞与原資”は変わる仕組みにすることです。先ほどの企業であれば、「今期の経営目標が実現できた時には、夏は1か月、冬は2か月支給する」と説明しなければなりません。
これによって社員は、経営目標を実現しようと一致団結して取り組むでしょう。なぜなら、全ての社員が「目標を実現することで夏は1か月、冬は2か月支給される」と理解するからです。毎月の損益計算書を真剣に理解し、努力をするでしょう。
さらに社員に関心を持ってもらうためには、夏1か月、冬2か月と固定的に決めるのではなく、業績が良い時は夏なら1.2か月になるなど、賞与が増えることを検討してください。もちろん、業績が厳しい時は0.9か月、0.8か月と賞与が少なくなることも検討する必要があるでしょう。事前にシミュレーションすれば、リスクなく発表できます。
そのような発表を前もってすると、社員は「賞与が減るのは困ります」と言ってくるでしょう。ここで成長シートがあれば、「この会社には高い成果を上げている優秀な社員がいる」と社員に説明することができます。その社員のやり方をみんなで学び、そして真似をして実行すれば、この会社の目標は簡単にクリアできます。みんなで学び合おうとするでしょう。そうやってお互いに成長していくことが、最終的に会社の業績が良くなり、そして社員の昇給・賞与が良くなることに繋がっていきます。
考えてみてください。もし社員一人一人が「みんなで一緒に賞与をたくさんもらいたい」と考えているとすれば、経営者と全く同じ考えを持っていることになります。元々、経営者は「全ての社員にたくさんの賞与を支給してあげたい」と思っています。
賞与は、一つ間違えると自利の考えの社員にしてしまいます。「自分さえよければ良い」という発想になってしまう恐れがあります。その一方で、全ての社員が一緒に成長し、協力して全員が賞与をたくさんもらえたらいい考え方になることで、この会社の業績はさらに良くなります。
経営者の考えていること(=頭の中)を完全に理解できる社員はいません。しかし、仕組み(=可視化)にして社員に説明することで、経営者の考え方を理解することができます。経営者は経営が驚くほど楽になります。経営者が苦労しているときは、業績が良くならないことをご存知でしょうか?
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