第79話 新型コロナ禍で人事制度を見直しましたか?
2021-08-31
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一昨年、大手企業を中心に「年功序列型賃金の見直し」または「終身雇用の維持ができない」という話題が日本全体に驚きをもって受け止められました。経営内外の環境が変化する度に、人事制度は見直しが必要になります。過去1年間、人事制度の見直しがないのであれば活用されていないことに等しいのです。
例えば、年功序列型賃金を導入しているために、社員が60歳になった段階で賃金が評価以上に支給されている問題があるとすれば、経営者はその問題が二度と発生しないように人事制度を見直さなければなりません。
現在の賃金制度によって社員が60歳になった時の賃金はどうなるか、通常はモデル賃金を設計していれば40年前に問題の存在を確認することは可能です。モデル賃金を見て人事制度の見直しができていれば、60歳になった社員に賃金を払いすぎるという問題は発生しませんでした。
しかし既に発生してしまった問題だとすれば、大至急経営者自ら人事制度、賃金制度の見直しをすることが必要になります。私もしばしば、この人事制度や賃金制度の見直しの相談を受けますが、驚くことに経営者は人事制度のどこを見直したら良いのか分からない相談が多いのです。その問題の理由はほぼ同じです。専門家やコンサルタントから既成の人事制度を購入し、そしてその説明を受けたにすぎないからです。つまり「人事制度を構築してもらった」のではなく、「既成の人事制度を購入した」のです。
全ての会社に共通して活用できる人事制度はありません。もしそれがあれば、私も経営者ですのでぜひ欲しいという気持ちになります。しかし、そのような人事制度はどこを探してもないのです。経営者が社員の何かを評価し、処遇に反映させてきたことが実際にある以上、それを可視化して人事制度にまとめる以外に成功の方法はありません。
それをまとめるプロセスは大変かもしれません。しかし、例えば今回の年功序列型賃金の問題を解決することは、自分で人事制度をつくっている経営者にとっては決して難しいことではないのです。自分で人事制度を見直しするという話をすると、多くの経営者の方は驚きを隠せないようです。それは専門家の仕事だと思っているからです。しかし、専門家に全ての会社に共通するような評価や処遇の制度をつくることは到底無理です。頼ることはできません。
今のこの経営環境の変化は、実は大きな変化のスタート地点に立ったにすぎません。労働人口の減る日本においては、女性の雇用や65歳以上の高齢者の雇用がとても重要になります。しかし、その社員の評価や処遇の決め方は誰に聞いても分からないでしょう。特に大手企業では参考事例が少ないのが現状です。ですから経営者が自ら決めるしかないのです。そして運営をしながらそれを毎年見直ししていくのです。
そういう意味では、人事制度はスタート段階ではベストでも、運用されるとベターに変わります。すぐに見直しが必要になるからです。この事実を知ってください。そしてこれからの時代に社員を定着、成長させ、そして採用するというとても重要な役割をこの人事制度を可視化し構築することによって実現してください。
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