第75話 大手企業と中小企業の社員の成長の違い
2021-07-27
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大手企業と中小企業の人事制度をつくってきて、わかったことがあります。
それは大手企業の社員は出世欲──この会社でどんどん出世しようという意欲──が感じられます。ところが中小企業の場合は、それほど社員が「出世したい」という意欲を前面に出すことはありません。
これは、当然ながら大手企業には様々な役職として、部長や課長、次長などの役職を持った社員がいるため自分の10年後、20年後の成長の姿が見えています。しかし、ポストは限られているため、「そのポストに就くにはどうしても出世競争に勝たなければならない」状況のなかで、社員は必死になって努力しています。
ところが中小企業になると、役職者といっても部長が一人、課長が一人という状態であったりすると、最初からポストが少ないので自分は出世の可能性がないと、半ば諦めている社員が多いように感じます。実際は、中小企業の方がポストは無限にあるといえるでしょう。
例えば、現在在職している一般職層の社員10人が、標準昇格年数で10年後に中堅職層にステップアップしたとします。そしてさらに10年後には管理職層に標準昇格年数でステップアップしたとすると、10人全員がいつでも部長に昇進できる可能性があります。
その一方で、大手企業であればすでにその時代のマーケットを大きく占めており、これ以上規模拡大することがないため一般的には役職定年制をとっていることが多いといえます。
しかし中小企業では役職定年制をつくる必要がありません。中小企業はベンチャー企業という言い方ができます。そうであれば「これから全社員が成長してマーケットをつくっていくことができる」と表現することができます。
今の規模から社員の成長に伴ってマーケットを大きくつくっていくことができれば、社員同士で競争することなく、協力し合いながら成長し、それぞれの活躍する場所をつくることができます。
このことをなぜ経営者は説明していないのでしょうか。
もともとこの会社が進む方向性は、優秀な社員が成長シートで示してくれています。そこで様々なチャレンジをして有効性が感じられたら、いくらでも新規事業を立ち上げることが可能です。それゆえにベンチャー企業といえるでしょう。
中小企業の経営者は、この事実を社員にあまり説明していません。
ぜひとも「全社員が成長して、全社員がその役職に就いて活躍してほしい」と、入社の段階で説明してもらいたいと思います。
競争せずに全社員が成長していく中小企業に勤めることは、自分の可能性を最大限に発揮できることだと説明し、社員の成長を促してもらいたいと思います。
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