第69話 マネジメント研修を100%活かす方法
2021-06-15
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長い間経営をしていると、社員を成長させるためには何か特別なマネジメントスキルが必要だと考えるようになります。それは社員一人一人の成長の度合いが違い、同じように成長させることができていない現状があるからです。それが分かると、部下を持つ上司はますます指導することが重荷になっていきます。
そのため、この問題を解決する方法を探します。それがマネジメント研修や管理者研修です。この研修に上司を参加させる経営者の思いは藁にもすがる気持ちでしょう。なんとかその研修で上司にマネジメントの力をつけてもらい、そして部下をどんどん成長させてほしいという期待が込められています。
しかし、その研修を受けてコツを掴んだと思って笑顔で話をしていた上司も、1か月も経たないうちに、研修から帰ってきた時とは全く違う悲しい表情をするようになります。それは学んできたことを発揮しても、その通りに部下が成長しないことに驚き、そして悩むからです。
残念なことに10人いたら10人の社員に対して、同じスキルを活用し部下指導しても有効になることはまずないと考えた方がいいでしょう。このことをまず知ってもらう必要があると思います。そして、学んだことを実際に発揮した時に、部下から想定したことと違う反応が返って来れば、その部下指導に対して部下がどう行動するか、部下が教えてくれたことになるでしょう。上司は、実践の中で部下指導の仕方を学んでいきます。これを繰り返しながら、本当の上司としてのマネジメントの力がついていくことになります。
「部下指導」は部下を成長させる重要業務であり、そしてその重要業務を遂行するためのマネジメントスキルが必要になります。しかし、これを身につけるよりも前にもっと大切なことがあります。それは、上司は「何を」部下に指導するかです。これが分からなければどのようなマネジメントスキルを身につけても有効にはなりません。それが分かるのが部下の成長シートなのです。
部下の成長のゴールが示されている、成長シートの中にはマネジメントをするための対象が記載されています。それが「重要業務」であり、「知識・技術」であり、「勤務態度」です。この成長要素が、上司が部下を指導するための対象なのです。部下が知識・技術が身につき、重要業務ができるようになってきたら、部下指導が有効になったことが分かるでしょう。勤務態度が守れるようになってきたら、それは部下指導の力がついたことがわかるようになるでしょう。
つまり、この何を指導するかを明確にしなければ、残念なことに部下指導の力がついたかどうかの判断ができません。部下指導は100%すぐにはできないでしょう。最初に部下を持ってから部下が成長するまでの力をつけるためには10年以上はかかると考えた方が妥当です。
マネジメント研修に上司を参加させる前に、成長シートをつくってください。
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