第64話 失敗しないためには正しい人事制度の判断基準が必要になる
2021-05-11
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世の中にはたくさんの種類の人事制度があります。専門家やコンサルタントの数だけ人事制度があると言えるでしょう。
私はしばしばセミナーを行いますが、セミナーに参加した目的は「正しい人事制度を探している」とアンケートに書かれる経営者がいます。この正しいかどうかをどうやって判断するか、その判断基準を持っていない経営者が多いと私は感じています。
正しい人事制度であるかどうかは、専門家やコンサルタントが決めることではありません。ここが大切です。経営者が自らの判断基準を持って決めなければなりません。もともと人事制度の目的の一つは、社員の評価と賃金を一致させることです。
最近問題になっている「働かないオジサン」の原因の一つは、この評価と賃金が一致していないことにあります。つまり、正しい人事制度の条件を満たしていないのです。
では評価と賃金が一致していることを前提にして、人事制度に何を求めているか。その目的を明らかにすれば、経営者が自分で正しい人事制度かどうかを判断することができます。
私は人事制度の目的は社員の「定着」「成長」「採用」と三つ上げています。目的を決めれば、その目的が実現できたか判断する基準を決めることができます。
例えば、一つ目の定着であれば「定着率」。二つ目の成長であれば「社員の成長点数」。三つ目の採用であれば「社員一人当たりの採用コスト」。この三つの指標が向上することよって正しい人事制度であると判断することができます。
この三つの判断指標は、全て人事制度の運用の結果として出てきた数字であり、正しい人事制度はこの結果によって判断することができるでしょう。
万が一、社員の定着が好ましくなければ、そこには何か問題があります。それを解決し、人事制度の見直しをすることによって、人事制度をより正しいものにできます。社員が成長していなければ、社員の成長を促すように人事制度の見直しをし、社員の成長点数が向上することで正しい人事制度になったと判断することができます。また、社員の採用コストが下がることによって正しい人事制度になったと判断できるようになります。
この判断基準を持っていないが故に、時間をかけて正しい人事制度を探す経営者が多いのです。残念ながら、探しても見つかることはありません。
経営者がこの判断基準を持つことは、今の時代にはとても重要です。
なぜなら、環境の変化の大きい時には、様々な意見が専門家やコンサルタントから出てくるからです。その意見を全て聞いていたら経営はできません。一日も休むことができない経営においては、常に経営者として判断できる基準を設けることです。
人事制度は「正しいもの」で終わりではなく、「見直しをしていく」ことが必要であるとわかるでしょう。経営者の想いを込めた正しい人事制度によって、この時代に力強く自信を持って経営をしていってもらいたいと思います。
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