第56話 社員を成長させる人事制度の特徴とは!

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第56話 社員を成長させる人事制度の特徴とは!

2021-03-09

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「弊社は常に新しいことに取り組もうとしています。それは企業の存続発展のためには必須のことだからです。それなのに最初の滑り出しは良かったものの、途中から中だるみし、気づいたら誰もそれに取り組んでいないことがあります」

“新しい取り組みが長続きしない”
実はこれは多くの経営者に共通の悩みでしょう。
この新しい取り組みが長続きしない理由について、正確に把握している経営者は少ないでしょう。私がこの理由を知ったのは、もう25年以上前のことです。

私はもともと、人事制度構築よりも生産性向上が主たるテーマのコンサルティングをしていました。前勤務先でサービス残業130時間を解消した実績を評価され、生産性を向上させるコンサルティングを依頼されました。営業職や販売職、経営者や幹部、あらゆる企業の生産性を向上させてきました。

私が前勤務先で実現した一番高い「人時生産性」は5,600円(/人時)でした。これは35年以上前の小売業の人時生産性としては、私の知る限り、大手企業も含めて業界トップでした。

一般的な生産性向上のコンサルティングは、そのコンサルタントのノウハウの提供を受け、生産性を上げることになるでしょう。たとえば人時生産性5,600円(/人時)を実現するためのノウハウを教えて生産性を向上させます。

しかし、残念なことに5,600円まではいくでしょうが、それ以上にはなりません。それは5,600円を実現するノウハウを提供されたに過ぎないからです。

私のコンサルティングはそれとはまったく異なっており、「生産性を上げる仕組み」を作ることによって、私がいなくなっても5,600円以上の生産性を継続して上げることができるのです。そういう仕組みを作ることが私のコンサルティングです。

このコンサルティングを提供したことによって、多くの会社が初年度から生産性を向上させることができました。概ね2年から3年ぐらいをかけて一つの会社でコンサルティングを行います。
そして、大いに経営者に喜んでもらい、その会社を後にすることを繰り返してきました。

ところが、コンサルティングを終えてから3年ぐらい経った段階で、コンサルティングをした会社の経営者から「せっかく生産性が上がったのに、また元に戻ってしまった」という連絡がありました。

私は首を傾げます。生産性を上げる仕組みを作ってあれほどまで順調に運用していたのに、どうして元に戻ってしまったのか。
急遽その会社に行って現場でヒアリングをしました。

その結果、成果の上がっている社員は「自分が評価されていない。そしてそれが処遇に反映されていない」と思っていることが分りました。
つまり、優秀な社員は「これ程成果を上げているのに評価も処遇も全く変わっていない」と考えて、元に戻っていたのです。

そのことを経営者に尋ねると、「いやいや、生産性の高い社員は評価しているし処遇も良くしている」と言います。

つまりこの問題は、「成果を上げた社員をどのように評価しているか、そしてその評価が処遇にどのように反映されているか」このことが可視化されていないことが原因だったのです。

多くの企業で、この評価と処遇の可視化ができていません。社長の頭の中です。そのため、何かに取り組んだとしても継続できないことがあるとすれば、原因はこの問題です。

社員をどう評価し、そしてどう処遇に反映させるかを、すぐに可視化することが必要です。そのことに早く気がつかなければなりません。



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