第49話 ピンチをチャンスにする方法とは
2021-01-12
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『中小企業経営者のための、新型コロナ環境に適応し成長するための人事戦略』
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これからの時代の人事制度は、新型コロナ禍でも、社員が成長していく役割を担わなければなりません。特に今、問題になっているのは、この新しい環境に適応を目指してチャレンジする社員が少ないことです。
様々な理由があるでしょうが、その一つに社員の評価と賃金が一致していないことがあります。例えば、社員を評価して年に1回昇給を決めます。どのように評価が決まったのかフィードバックされれば安心ですが、その評価がはっきりしなければ不安で仕方がありません。つまり自分がどのように評価され、昇給が決定されているか分からない社員が多いのです。
弊社の開発した成長シートは社員の成長が確認できます。社員が入社した時点で成長点数20点からスタートします。そして徐々に40点、60点、80点と成長していくことになります。それに合わせて昇給の金額が増えていきます。どの経営者に伺ってもこれに異を唱える経営者はいません。
この成長点数(評価)と昇給額が一致していれば、社員は安心です。そのため、あることに笑顔で取り組むようになります。それが「チャレンジ」です。
ただ、全ての社員がチャレンジすることはありません。組織原則2:6:2の上位の2割の社員です。この2割の社員が常にチャレンジする組織でなければ、この環境に適応して存続していくことは無理です。
ところが、会社によっては上司の評価結果を基に調整会議をしている会社があります。つまり上司の評価は参考程度になり、最終的には昇給・賞与を調整して決めることになります。何をその調整会議で話しているのでしょうか。その議事録があったら「見てみたい」と全ての社員は思うでしょう。
ところがその中身は全くブラックボックスであり、社員には分かりません。仮に何かチャレンジして失敗したことが今回の評価のマイナス点となり、昇給に影響を与えるかもしれないと予想した社員はどんな行動をとるでしょうか。当然新しいことにチャレンジしない道を選ぶでしょう。失敗しない唯一の方法が、チャレンジしないことだからです。
そのため、評価がそのまま昇給・賞与に反映されることが可視化されていない会社では、チャレンジする社員が少なくなる可能性があります。
弊社は成長点数でストレートに昇給・賞与を決める仕組みをつくっているため、社員はチャレンジすることに全くためらいがありません。失敗してもマイナス評価にならないことが分かっているからです。
社員の中には社内報に失敗の理由を述べ、それでもまたチャレンジしたいという強者もいます。経営環境が今までとはガラッと異なりました。その変化が現在進行形と言っていいでしょう。だからこそ、ここにチャンスがあると多くの経営者は口をそろえています。
では社員はどうでしょう。それをチャンスと思ってチャレンジをしているでしょうか。チャレンジしていないとすれば、それは社員が悪いのではないのです。社員が悪いのであれば「チャレンジしろ」という一言で全ての社員はチャレンジするようになるでしょう。チャレンジを妨げている阻害要因があることを早く気がつかなければ、変わった環境に適応できない会社のままです。
やるべきことはこの調整会議を止めることです。また、社員の評価がどう昇給・賞与に関連してるかを可視化することです。その改革によって次から次へとチャレンジする社員が出てくるでしょう。ただしそのチャレンジの成功の確率は最大3割、平均2割というところでしょう。「一勝九敗」と言った有名な経営者がいるくらいですから。
新しいチャレンジに失敗はつきものです。でも失敗を処遇に反映させないという会社の当たり前のその仕組みが可視化されていない限りは、このチャンスの波に乗ることができません。早くそのことに気がつき、今の評価と昇給・賞与が完全に一致する仕組みをつくってください。
それによってどれほど多くの社員がチャレンジし、失敗にもめげず、また次のチャレンジに取り組む。1日も早くそのような組織にしなければ、この新型コロナウイルスで影響を受けた環境に打ち勝つことはできません。
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