第46話 女性社員の育休後の活躍はすごいです
2020-12-15
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「女性社員が育休から戻ってきました。この社員の賃金はどのように決めたら良いのでしょうか?」
2021年4月から同一労働同一賃金の遵守が必要ですので、やっている仕事が同じであれば同じ賃金を支給する必要があります。ただし、この女性社員が育休に入る前の雇用条件と同じであるかどうかが問われます。
たとえば、「残業ができるできない」「フルタイムで仕事ができるできない」「休みの希望がある」「勤務場所は変えられない」「職種も変更ができない」等これらの条件を加味して賃金を決めることになります。
元々日本には属人給といわれる年齢給・勤続給と仕事給があります。どの賃金を支給するかは企業が自由に決めます。年齢給、勤続給、仕事給がすべてある会社もあるでしょうし、また仕事給一本であるという会社もあるでしょう。様々です。
しかし、この仕事給には職能給や職務給、資格給という種類がありますが、中小企業の経営者の考え方は社員の成長に合わせて賃金を増やしたいと考えており、それを可視化して私は「成長給表」という賃金表をつくってもらいます。
今まで1,294社の成長給表をつくりましたが、成長給表は全社違います。元々支給してきた昇給も賞与も違うのですから、この成長給表が違うのも当然といえば当然でしょう。その成長給表もすべて自分でつくってもらいます。
「え~、自分でつくるの!」と驚く経営者も多いのですが、自分でつくる理由は1つです。一度成長給表をつくったからといって、未来永劫変更しないことはあり得ないからです。つまりこの成長給表をつくり直すことが必要になるのです。
そればかりか、今この成長給表が総合職と限定職、限定職も職種限定と勤務地限定、短時間と3種類 、場合によっては勤務地と職種限定で短時間の社員がいれば、4種類の成長給表をつくります。
これもまた会社によって様々であり、同じであることは基本的にありません。今後はこのように成長給表の種類を増やす必要があります。
自分でこの成長給表がつくれる経営者は必要になったら何種類の成長給表もつくれるでしょう。実際に追加で5種類の成長給表をつくった経営者もいます。成長給表をつくる仕組みがありますので、専門的な知識がなくても昇給・賞与を決めた経験があればサクサクとこの成長給表がつくれます。
企業では、その女性社員が育休から戻ってきた時までに準備しなければならない成長給表があるのです。
雇用条件は人によって違います。今までであれば、それぞれの社員の要望に応じて個別に賃金を決めてきたでしょう。一番大切なのは成長点数です。それ以外に雇用条件が様々ありますので、それを総合検討して賃金を決めてきたでしょう。
ところがこの個別に決めた金額も間違っていませんが、もし二人の女性社員がいた時に、その金額の違いを説明することができません。それで問題になって社員が辞めたという相談もあります。
成長シートで成長等級も決められますので、賃金はすべて成長給表で説明できます。問題は残業の問題、時間数の問題、休みの曜日の問題、勤務地の問題、職種の問題、様々な雇用条件によって成長給表を今までの4種類から5種類、6種類、7種類と働きたいその女性社員の要望によって作成していけば良いのです。
女性社員は育休から戻ってきて、その後に、子供が保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、基本的にはここまでですが、その子供の成長に合わせて生活をしなければならないことになります。それが基本的に優先されるでしょう。
その優先された状況に合わせて働く条件が異なり、賃金が違うのは当然と言えます。その成長給表をたくさんつくることによって、あらゆる雇用条件に合わせて仕事をすることができます。
これからの日本では、欧米のように女性の活躍する場所を提供できるかどうかが生産性向上へのとても大きな条件になりました。賃金は仕組みで決まりますので、成長給表を雇用条件の違いによって作成しておくことで、経営者が賃金を決定する場にいなくても良くなるのです。
賃金は個別交渉ではなく仕組みによって決めるようにすることです。
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