第35話 中小企業に入社した社員が「幸せ」と言える時代が来た

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第35話 中小企業に入社した社員が「幸せ」と言える時代が来た

2020-09-15

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「もうこの時代は、終身雇用は守れないということですね!大手企業のニュースで知りました。私たちもその対応が必要になったと感じています」

新聞で、大手企業が日本の雇用の特徴である終身雇用が守れないという発言が連続して報道されました。それを見た中小企業の経営者から、

「当社もそろそろ、終身雇用を守れないことを、社員に説明が必要でしょうか!」

という質問が増えてきました。人事制度は大手企業が見本だと思っている中小企業の経営者が、いかに多いかということです。

「営業の仕組み」も「製造の仕組み」もすべてそうですが、仕組みは最初は小さく生み出すことが大切です。そしてその仕組みをしっかりと運用しながら、さまざまな問題がでてきたときに、その問題を解決しながら仕組みに盛り込んでいくことになります。

社員が10人のときの仕組みと、50人になったときの仕組みは内容が違います。ましてや、100人、1000人と増えていくと、さらに大きな仕組みとなっていくでしょう。つまり、大手企業の人事制度は中小企業ではほとんど機能しないことを知って頂くことが必要です。

そして、今回の終身雇用に対する報道です。大手企業が終身雇用を守れない理由に何があるかを知って頂く必要があるでしょう。

大手企業の中には「評価と賃金が一致していない」という人事上の問題を抱えている企業があり、同一労働同一賃金を守らなければければならないとすれば、最も大きい問題は、その問題を本人に納得できるように説明できないことです。同じ賃金額で60歳を超えて仕事をしてもらうのはとても難しくなります。賃金が払い過ぎだからです。

そのため、60歳を過ぎた段階で、職務内容を変え、責任の範囲も変えて賃金を見直すことになります。その変更に伴う賃金の減少は、社員が納得すれば大きな問題になることはありません。

最近の弊社で行っている成長塾に参加している経営者に65歳以上の雇用状況をうかがうと、その雇用率は、すでに50パーセントを超えています。これは、社員を大切に成長させている経営者であるからこそ、「元気であればいつまでも働いてもらいたい」という思いがあるからでしょう。

もっとも、仕事をしている65歳以上はとても元気です。仕事をしている65歳と仕事をしていない65歳がもし横に並んだとすれば、明らかにどちら仕事をしているか分かります。活気が違います。目の輝きが違います。

中小企業の経営者は今、声を大きくして、世の中に宣言しなければなりません。

当社は社員の雇用を守りたい。厳しい時代だからこそ、大手企業と違い今後も終身雇用を守っていきたい

社員にとってみれば、65歳過ぎの生活も心配だし、同時に健康にも関心があります。両方叶えることができる仕事、好きな仕事をする社員は幸せだといえるでしょう。

「中小企業に勤めることが幸せである」と断言できる時代が来たのです。大いに声を上げてもらいたいと思います。



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