第10話 労働力不足の大きな解決方法とは
2020-03-10
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労働力不足が叫ばれてから各企業では様々な対策を立ててこられたことでしょう。その中で考えなければならない共通のテーマがあります。それが65歳以上の社員の雇用に対する取り組みです。
この取り組みは、大手企業を参考にすることはできません。なぜなら大手企業は基本的に65歳以上の雇用を考えていないからです。
では、中小企業ではどうでしょうか。成長塾に参加する中小企業の実に8割以上が、65歳以上の社員を雇用しています。その65歳以上の社員を雇用している経営者に次のようにお尋ねしています。
「その65歳以上の社員の方は元気に仕事をされていますか?」
すると、必ずと言っていいほど経営者は次のように答えます。
「ハイ、元気です。気力も十分です。若者にも引けを取りません。知識も技術も経験もたくさん持っており、それを生かして働いています。我が社の大切な人材です」
そうです。中小企業はすでに65歳以上の社員を雇用しているのです。つまり、65歳以上の社員の雇用を考えたとき、参考にすべきは実践している中小企業です。
そしてこれから労働力不足となる日本では、この「元気で経験のある65歳以上の社員」の雇用がとても重要なテーマになります。65歳以上だからと言って労働力から外してしまうのは実にもったいないことです。
ところが残念なことに、この65歳以上の方々に適用する人事制度の整備が遅れています。65歳以上の方の評価をどう考え、そして処遇をどうするかが考えられていないのです。
北九州でサービス業をしているある経営者は、成長塾に参加された際、このように話していました。
「65歳以上の社員を募集すると、たくさんの応募があります。皆さん65歳を過ぎても元気に仕事をしています。そのためその社員たちのこれからの成長を考えてあげたい。そして成長するのであれば、それに合わせて今後も処遇を良くしてあげたい」
つまり、65歳以上の社員の賃金を上げてあげたい、という想いで成長塾に来られたのです。それはそうです。今の65歳を超えた社員の方々はとても元気です。
とても元気で、そしていつまでも働きたいと思っている、そのような社員に元気に働いてもらわない手はありません。
そしてできれば今の仕事内容のまま65歳以降も働けるようにしてもらいたいというのが私の考えです。シルバー人材センターから来られる方にお話しを伺うと、「銀行の支店長でした」「大手企業の部長をしていました」という方がたくさんいます。今の会社でそのまま働けば「大先輩!」と周りから言われながら働くことができます。シルバー人材センターの仕事をすると、その方の過去の活躍は分かりません。
元気な65歳以上の社員にどう活躍してもらうか、このことが労働力不足の日本では大きなテーマとなりました。そしてそれを実現するためには人事制度が必要です。65歳以上の社員が活躍する人事制度を持っている企業はほぼないと言っても過言ではないでしょう。
65歳以上の社員の成長をどう確認していくのか、これまでと同じ成長シートを活用するのか新しくつくるのか。その成長に合わせてどう処遇を良くしていくのか。正社員と同じように、人事制度で約束する必要があるからです。これは2021年4月からスタートする同一労働同一賃金以上に重要なテーマだと言えます。これができた会社は労働力不足を大きく改善することができます。
人生100年時代において、平成生まれの社員は80歳まで仕事をする可能性が出てきました。この制度がある会社とない会社では労働力不足にとどまらず、採用力などにも大きな違いが生まれてきます。最終的には大きな業績の違いとなって出てくるでしょう。特に生産性には影響を与えます。
それほど大きな違いを生む65歳以上の社員を活躍させることができる人事制度づくり。すぐ取り組んでいただきたいと思います。
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