第6話 優秀な社員がいないときの成長シートのつくり方とは
2020-02-11
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「先生、成長シートは優秀な社員をモデルにつくるということですが、残念なことに我が社には優秀な社員がいません……成長シートはどうつくったらいいでしょうか」
先日、こんな相談を受けました。この相談はしばしば受けます。
ある経営者はこう言い放ちました。
「先生、優秀な社員がいるんだったら何も苦労はしていませんよ」
これは、多くの企業経営者が心ひそかに思っているかもしれません。
しかし、もし本当にそれが事実であるとすれば、今その企業は存在していないはずです。優秀な社員が一人もいない状態で成果が上がるはずがないからです。
しかし事業が存続しているとすれば、優秀な社員がいないということはまずありえません。
このときに知ってもらいたいのは、どんな組織にも必ずある原則「2:6:2の法則」です。
どのような企業にも、優秀な社員が2割、まあまあの社員が6割、これからだという社員が2割います。
私は40数年前に零細の魚屋に入社しましたが、わずかパートアルバイトさんを含めて30名の年商3億の会社であったときにも、この2:6:2の法則はありました。
そして、この会社は現在東証一部に上場していますが、その中でも2:6:2の法則はあるのです。この法則からは逃れられません。
なぜなら、これは相対評価だからです。
相対的に考えたら、優秀だなと思う社員が2割、まあまあだなと思う社員が6割、これからだと思う社員が2割に必ず分かれてしまうのです。
つまり逆に言えば、どの規模でも優秀な社員がいるということです。
もっとも、経営者が満足するほど優秀か、という観点から言うと、それはいないでしょう。
経営者が現在の優秀な社員に満足してしまったら、それ以上に社員を成長させようという気持ちにはなりません。
その企業の成長はそこでストップとなります。そんな経営者はいません。
そもそも、自分の上げている成果にさえ満足していない経営者ばかりなのです。
社員がどんなに高い成果を上げたとしても、「優秀だ」とは思えないのは仕方ないでしょう。
ですから「経営者が満足できるほど優秀な社員」という考え方をまず捨てて頂く必要があります。
大事なことは、優秀な2割の社員とこれからだという2割の社員、この社員の成果には大きなギャップがあるということです。
これこそが経営上で最も問題なのです。
そこで、一番高い成果を上げている社員を優秀な社員と思って、この社員をモデルに成長シートを作成してもらいたいのです。そして成果のギャップを埋めてほしいのです。
優秀な社員がいないと思って成長シートをつくらないのと、満足はしていないけれども、優秀な社員だと認めて成長シートをつくってみるのと、どちらが社員の成長があるでしょうか。答えは明らかです。
ただ、今までの事例で申し上げると、次のようなこともあります。社内で最も優秀な社員が経営者である、ということです。実は私が最初につくった一般職層の成長シートは、現場で最も活躍している経営者がモデルでした。
また、ある企業ではコンサルティングしていったところ、たまたま一般職層にいた優秀な社員が成長シートをつくる直前に中堅職層にステップアップしてしまったため、一般職層に優秀な社員がいないとわかったこともありました。
このように、企業によっての違いはあります。ただし、必ず優秀な社員がいます。
そう断言してもらいたいと思います。
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