第53話「後継者を育成するための前提条件を知る」
2019-09-16
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経済産業省は、中小企業の経営者が第三者に事業を譲ることを後押しするようです。日本全体の中小企業が後継者問題で困っているからです。
中小企業庁によると、中小企業の経営者のうち、245万人が2025年までに70歳を迎えますが、うち127万人は後継者が決まっていないようです。
その後継者を決める時が、経営者の引退する時である場合、その事業承継に何かしらの問題が発生することが考えられます。
なぜなら日本では欧米と違い、マネジメントが優秀な社員に事業承継をすることがとても難しいからです。
日本では、ステップアップは卒業方式で行われます。一般職層(プレーヤーの層)で現場の仕事が優秀だと認められて中堅職層へステップアップします。
次の中堅職層で、プレーイングマネージャーとしてプレーイングをしながら、部下指導という新しい仕事に挑戦をし、それが評価されて管理職層へステップアップします。
つまり、入社した社員を一般職層で成長させ、中堅職層にステップアップさせ、中堅職層で成長させ、次の管理職層へステップアップさせます。
この期間は、業種や規模によって様々ですが、入社してから我が社の標準昇格年数20年以上かけてステップアップします。
そして、その管理職層に成長させた社員の中から後継者を決定します。この時の決定方法は、管理職層の社員の中で1番成長点数の高い社員にバトンタッチをします。
このことは事前に社内へ公表しておかなければなりません。なぜなら、後継者の選考から外れた社員にとってみれば、納得のいかないことが多いからです。
それは選考基準が曖昧であり、必ずしもこの会社の中で優秀な社員が選ばれたのではないと誤解が蔓延するからです。これが事業を引き継いだ後継者の力を発揮できない最大の原因となります。
仮に管理職層の社員の中で1番点数の高い社員を後継者に任命する、と事前に公表してあったらどうでしょうか。まったく混乱なく事業承継することができます。
もちろん後継者は初めてすべての責任を持つ立場になりますので、全く問題の起きない事業承継になることはないでしょう。
ただ、事業承継の時点で人事制度が構築されていれば、経営者が何を評価してきたのか、どのように処遇を決めてきたのかが既に社内にオープンになっており、後継者はそれを守ることで人事上の問題を発生させずに経営することができます。
つまり、人に関する事業承継に頭を悩ませることなく、他の事業承継に集中することができます。
大事なことは、経営者が引退する時にどのように後継者を選考するか考えるのではなく、20年以上かけて後継者を育成しながら、その中から次の後継者を指名する。その仕組みをつくることが必要なのです。
このことが分かれば、後継者問題はほとんど解決できます。
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