第50話「夏季休業は生産性を上げるまたとないチャンス」
2019-08-26
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今年は経営者から夏休みを長期で取るという話が増えてきました。これは、政府が計画年休を推し進めていることが理由の1つでしょう。
休みを長期で取るためには、そのための前準備、段取りが必要になります。社員は様々な段取りを組んで、事前対策していることでしょう。
実は、長期で休みを取ることは生産性を上げる大いなるチャンスです。
なぜなら、長期休みの対策を考えなければ、休みが増えた分だけ利益は減ります。休みが増えたが、結局利益が減少したため冬の賞与は減りました。このようになっては、問題です。
その対策のため、経営者はこの長期休暇の前に、社員に対して生産性指標を示さなければなりません。
休みを増やすと働く時間が短くなりますが、そうなっても利益が減らない、つまり、生産性を高めるためにはどうすればいいのかを全社員が考えるのです。
現場で社員がそれを考え、その施策が有効であれば生産性を下げずに休みを取ることができます。そして生産性が高まれば、冬の賞与は一切減ることはありません。むしろ増えることすらあるでしょう。
社員は、「休みをたくさんください」と言うでしょう。でも、「だから賞与は少なくてもいい」とは言いません。
「休みをたくさんほしい」+「でも賞与もたくさんほしい」贅沢な希望があるのはいいことだと思います。では、それを両方実現するために生産性指標を活用して会社は説明をしなければならないでしょう。
それを明確に社員に示すことによって、社員は考えます。この粗利を増やすためにはどうしたらいいのだろうか。このことが生産性を高めるポイントになります。生産性を高めて休みを増やすのであれば、企業とすれば2倍の成長と言えるでしょう。
万が一、生産性を上げずに休みを増やしたら、最初のような問題が起きます。
この休みを増やす政府の働きかけに対応して、社員を成長させることを一緒に取り組んでいきたいと思います。
私は小売業で過去16年間仕事をしていましたので人時生産性を使って生産性を説明することができました。そのため、私が入った43年前のこの小売業は週1日の休みでしたが、16年後には完全週休2日制になりました。
入社した時に、人時生産性2,600円/人時だったこの会社は、完全週休2日制、サービス残業がゼロになったときに5,600円/人時という実績を上げることができました。それは、休みを増やす、サービス残業を減らす。同時に売上・粗利を増やすことを考えながら、生産性を高めていった結果です。
生産性が高い社員は優秀であることを社内で明確にし、そのやり方を全社員で共有化してもらいたいと思います。
決して難しいことではありません。社内にいる生産性の高い社員を可視化し、他の社員に共有化することで、全社員を生産性の高い社員に成長させてもらいたいと思います。
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