第49話「賞与支給時の大切な社長の一言」
2019-08-19
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賞与の支給はほとんどの会社で終ったことでしょう。その賞与を支給する前に、どのようなことを社員に伝えたでしょうか。経営者の中には間違った一言を添えている経営者がいます。それは次の言葉です。
「賞与は頑張った社員に対して、頑張った分だけたくさん出します。皆さん頑張ってください!」
これは完全にアウトです。業績の違いが賞与額に一番大きな影響を与えていることはすでに説明しましたが、社員の成長によって金額が異なることもまた事実です。
例えば成長点数が90点のS社員と、80点のA社員、60点のB社員、40点のC社員、20点のD社員。社内には様々な成長の度合いの社員がいます。いわゆる組織原則2:6:2ですね。この原則はすべての会社に共通することです。
この成長点数が違うことによって、賞与が違うのは当然です。
成長点数が90点のS社員は、頑張ってこの評価期間中だけ90点になったのではありません。入社時には20点だった成長点数が、時間を掛けて少しずつ点数を重ねていき、やっと10年目で90点取れたのです。そのため「頑張った」から90点という表現は、全くこの実態に合っていない表現の仕方といえるでしょう。
この事実を社員に示すことによって、経営者は先ほどのような発言ではなく、次のような内容の発言をしてください。
「この会社に入社したときの成長点数は全員20点です。その点数が10年かけて80点以上になります。一朝一夕で80点になることはありません。じっくりと成長していってください。
その成長点数の伸びによって、賞与はだんだん増えていくことになるでしょう。もちろん、社員の成長のスピードには違いがあります。その場合も、すべてその時の成長点数によって賞与は支給されることになります。決して他の社員と比較して賞与を決めるわけではありません。
ですから、賞与明細書を誰かと見せ合うことは、意味がありません。賞与が多いのは、成長点数が高いからです。
最も成長点数の高い社員は、他の社員に成長シートに書いてある成長要素を教えた社員です。それが私たちにとっては最高の成長、最も高い賞与が支給される社員です。皆さんも、そこに向かってじっくりと成長の階段を上がっていってください。
なぜなら、私はすべての社員の賞与をたくさん出してあげたいと考えています。そのためには、あなたの成長だけではなく社員全員の成長、それによって会社全体の業績が良くなること。これが最も賞与をたくさんもらえる方法であることを、改めて皆さんに知ってもらいたいと思います」
このように説明できる会社になってもらいたいと思います。
賞与の金額に差をつけてモチベーションを上げることは組織風土を壊します。やってはいけないことであることを、改めて皆さんにお伝えします。
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