第48話「賞与、経営者と社員の考え方の違いを知る」
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夏の賞与の時期が過ぎました。この時期が過ぎた今、経営者に知ってもらいたいことがあります。
経営者は「たくさん賞与を出すと、これから社員はもっともっと頑張るだろう!」と思っています。
ところが、それは社員の考えとは相容れないものがあります。なぜなら社員は「今までの頑張りに対して賞与を出してもらった」と考えるからです。
賞与を支給された社員は「社長、賞与ありがとうございました。これからも頑張ります」とお礼を言うでしょう。しかし、次の頑張りに本当に繋がることはほとんどないと思ってください。
また、賞与の金額の大きさが社員のモチベーションを左右すると思うが故に、賞与の金額が前回よりも下がってしまうと、社員のモチベーションも下がるのではないかと心配します。
そのため、経営者としてやってはいけないことをしてしまうのです。
賞与の金額は社員個人としての成長よりも、会社全体の業績が重要です。会社の業績が良くなければ、賞与をたくさん出すことはできません。
それにも関わらず、業績が厳しいのに社員の賞与を増やしてしまう、または維持してしまうと、社員は「賞与は業績とは関係なく出るものだ」と錯覚してしまいます。
賞与は今までの会社の業績、そして社員の成長に伴って支給するものです。そのことを社員に仕組みにして示さなければなりません。
これが分かることによって、社員は「この会社では、自分の成長も大事だが、会社の業績を良くすることが賞与の金額により影響を与える」ことが分かります。
そのため、自分が成長し、個人として成果を高めたとしても、会社全体の業績が厳しいときは賞与が下がることも、前もってその仕組みを通じて学ぶことができます。
このことが理解できた会社では、常に社員は、
「賞与は会社の業績によって増減する。そのためこの会社にいる優秀な社員のやり方をすべての社員が学び合い、教え合い、高い業績を実現し、社員全員で高い賞与を獲得しよう」
となります。
正しい情報があれば社員の考えと行動は変わります。
経営者の考えるように「社員のモチベーションを上げたい」のであれば、自分の賞与をたくさんもらおうとする個別のモチベーションのアップではなく、経営者の頭の中と同じような思考内容、つまり、「ここに集ったすべての社員が一緒に良くなる」ことを考えて行動することが必要になります。
そのような会社の業績が悪くなることがあるでしょうか。経営者の頭の中を可視化するとはそういうことです。
すべての社員がこの会社で成長しようと考えて行動すること。
その状況を生み出すためにこそ、経営者の頭の中を可視化して作った人事制度は大いに役に立ちます。
※次回の今週の提言は、8/19の配信予定です。
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