第47話「賞与支給後に社員が辞めない方法」
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もうすでに夏期賞与の支給は終わったでしょうか?
賞与は社員にとって、とても関心の高いものです。特に賞与の金額が去年より多いか少ないかは、社員にとって重要です。去年より多ければ、自分がこの会社で評価されたと感じ、去年よりも金額が少なければ、自分の評価が下がったと考えます。
もっともこのように感じるのは、組織的な評価のフィードバックをされていない会社の社員です。評価のフィードバックをされている会社の社員は、自分の評価が高まっても賞与が下がることがあると事前に分かっています。
なぜなら、賞与の金額に最も大きな影響を与える要因は、社員の評価ではなく会社の業績だからです。
この会社の業績と社員の評価によって、各個人の賞与額が決まります。
このことを前もって説明していれば、社員は賞与の金額で評価を推測することはなくなるでしょうし、経営者は経営者として自身が納得できる金額で賞与を支給できます。
経営者は賞与支給の対象となる6か月間の業績が良いかどうかをまず判断し、支給すべき合計金額、いわゆる賞与原資を決定します。その後で、社員の成長によって金額を決めます。
そして社員の成長を確認する要素は2つ、「成長等級」と「総合評価」です。この2つによってすべての社員に賞与原資の配分をします。
ただし、配分という言葉は、社員にとってはとても嫌な言葉の1つです。それは、優秀な社員はたくさん貰い、そうではない社員はあまり貰えないイメージがあるからです。
それについては「成長賞与ポイント表」をつくることで解決ができます。評価によってどのように賞与が増えるのか、「成長賞与ポイント表」があれば、それを見た瞬間に社員ははっきりとあることが分かるからです。
それは自分が成長していけば、基本的に賞与の金額が下がることはない。ただし、自分の成長の前に、賞与には会社の業績が大きく影響しており、その業績によって賞与原資そのものが変わり、自分の賞与も変動することです。
この仕組みを発表した会社の社員は、次のような考えで仕事に取り組むでしょう。
「みんなで教え合って、みんなで高い成果を上げ、会社全体の業績を良くし、すべての社員が一緒に高い賞与を貰えるようにしよう!」
この考え方で取り組んでいる会社の業績が悪くなることはありません。
経営者は賞与をたくさん出してあげたいと思っているでしょう。このこと自体をいくら口で言っても社員は信じませんが、賞与原資がどう計算されるのか、そしてどのように社員個人の賞与額が決まるのか、その両方を説明することによって、この会社は賞与が増えることも減ることもあることを事前に知ります。
その上で経営者が賞与をたくさん出してあげたいと思っていることを理解でき、社員は安心して成長することができます。
「頑張ったらたくさん出す」と役に立たない一言を語るよりも、賞与の決め方を仕組みにして社員に発表することが重要です。
この仕組みをつくらないと、この時期に求人広告会社の人たちが、「求人広告を出しませんか?」と営業に来ます。その時の営業トークはどの会社でも同じです。
「この時期になると賞与に納得しない社員が次の職業を探そうとして転職を考えています。チャンスです。求人広告出しませんか?」
そんな求人広告会社のお世話にならないためにも、この賞与を決める仕組みづくりは優先順位の高い経営課題の1つです。
御社はいつ、賞与の決め方を仕組みにしますか?
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