第39話「事業承継の前に人事制度をつくる」
2019-06-03
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日本の多くの企業が事業承継の時期に差し掛かっています。特に事業承継が難しい、後継者がいないために、M&Aをするという話をしばしば耳にするようになりました。
親族内承継の割合に減少化傾向があることを聞き、残念だと思わざるを得ません。親族が事業承継したくない会社を、社員が後継するとはとても考えられないからです。
事業承継をすることを経営者は事業を始めたときから考える必要性があります。それは事業承継には長い時間がかかるからです。そして事業承継するときに必ず作っておく必要があるものが「人事制度」です。
もし事業を30年間しているとすれば、30年間の間に経営者の評価は変わってきています。昇給・賞与の決め方も様々な変化をしているでしょう。
評価を勘で決めている経営者であれば、それがどう変わってきたのか説明することは難しいでしょうが、決して同じままであることはありません。経営者は様々な人事上の問題を解決しながら、経営者そのものの評価が変わってきて、それが昇給・賞与の決定に反映されることになるからです。
つまり今の会社の業績は、社員・経営者の評価の変化、そしてその評価に対する処遇の決め方を陰で支えています。
そのため、創業経営者と同じ経験をしていない後継者は、経営者の今までの評価や賃金の決め方の集大成である人事制度を受け取れないと、最悪の場合、創業経営者の過去の評価に立ち戻ることになります。
上手な評価とは、前と比べて様々な人事上の問題を解決することによって、より経営者にとっては納得性の高い評価になることです。これが受け取れなければ、後継者は人に関する経験を同じように積むしかないのです。
ただ、また1からスタートになるため、今まで先代の経営者と一緒に成長してきた幹部は辞めることになるでしょうし、その幹部が辞めることを見て経営者と一緒になってこれから成長することに大いなる危機感を感じる社員もいるでしょう。
いずれの場合でも、人事制度がないことによる後継者の評価や処遇によって、組織は大混乱になります。
そうならないためにも、経営者のやってきた評価、そして処遇の決め方を可視化し、人事制度を作らなければなければなりません。
創業経営者がその仕組みを作ることに得手であるとはとても思いません。大変なことも当然わかっています。
しかしこれは先送りはできないのです。作ってしまえば、実は自分のやってきたことが可視化される、という点ではとても自分もわかりやすくなるでしょうし、後継者にバトンタッチする様々なことの対応もゆっくりとできるようになります。
事業承継はいつか行う。この事実に向かって人事制度を作る準備を遅れずしなければなりません。
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