第38話「65歳以上の雇用は宝の山」
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政府は16日、希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正案の骨子を発表しました。現状では、あくまで努力義務ですが、近い将来に義務化されます。その準備対策が必要になりました。そして公的年金の受給年齢は70歳からとなるでしょう。
大手企業はすでに「終身雇用は難しい」と、間接的にこの65歳以上の雇用について当惑しているように見えます。
中小企業はどうでしょうか。弊社で開催している成長塾では、すでに4割以上の企業が65歳以上の社員を雇用をしています。そして、全員、元気で働いていると話をされています。そのため、65歳以上の社員の人事制度は必ず必要になりました。
その実態を知ると、一緒に成長塾に同席した他の経営者は考えます。
社員が65歳になったら、大手企業が平均的に行っている退職の道でなく、継続して雇用する道を選択肢の一つとして考えるようになります。これはとても良いことだと考えます。
中小企業は常に労働力不足に苛まれています。それであれば、65歳以上の雇用を考えることはとても重要です。
ただし、65歳以上でできる仕事が何であるかを、今のうちに設計準備する必要があります。なぜなら、65歳を過ぎて働きたいと言った社員が、どんな仕事があるかを65歳の朝に聞いたのではすでに遅いからです。
通常の企業では、一般職層、中堅職層、管理職層と成長していきます。一般職層はプレーヤーの階層、中堅職はプレーイングマネジャーの階層、そして、管理職はマネジメントの階層です。
中堅職以上は、自分でプレーヤーとして仕事をすることから、他の社員に仕事を教えたり、技術を教えたり、組織を運営することで組織貢献をして活躍をします。
基本的に、65歳以上の社員にはプレーヤーとして仕事をする。それが体力的に対応できる社員はそれでいいでしょう。やがて年を重ね、気力や体力が落ちても、持っている技術や知識を若い人たちに教えることであれば、多少、気力・体力が落ちてもできないことではありません。
そうであるとすれば、昔の知識・技術を説明するわけにはいきません。今、社員が必要としている知識・技術を学ぶ必要があります。
65歳以上にその仕事に徐々にシフトしていくことが分かっていれば、「年だからもう新しいことは学べない」とさじを投げるのではなく、年を取っても常に新しいことを吸収するような仕事の仕方に変えていくことができます。
65歳過ぎの社員の働き方について、選択肢を早く示すことによって社員はその準備をすることができます。
これは社員にとっても良いことでしょう。企業にとっても良いことです。両方に良いことを、決して政府が言っているから仕方なく、という考え方ではなく積極的に取り組むべきだと思います。
そして今いる社員にいち早く、65歳以上の働き方を提案してもらいたいと思います。
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